BCAA
BCAAとは?ダイエットや筋トレへの効果や、効果的な飲み方を紹介
2021年6月14日 - 更新日: 2023年2月9日
BCAAとは、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つのアミノ酸の総称です。
この記事では、
- BCAAとは?
- BCAAを飲むとどうなる?
- BCAAいつ、どうやって飲むのが良い?
- EAAやプロテインとの使い分けは?
といった疑問にお答えします。
BCAAはすばやくエネルギーになるため、筋トレやダイエットなど様々なシーンで活用できます。
ぜひ、生活の中でBCAAを取り入れてみてください。
bcaaとは?効果や構成する成分
bcaaとは、3つのアミノ酸
- バリン(Valine)
- ロイシン(Leucine)
- イソロイシン(Isoleucine)
の総称です。
素早くエネルギーになるため、運動時のエネルギー補給や疲労回復効果が期待できると言われており、ダイエットや筋トレに取り入れる人が増えています。
バリン・ロイシン・イソロイシンの構造
BCAAを構成するバリン・ロイシン・イソロイシンは「分岐鎖アミノ酸」と呼ばれています。
名前の由来は、分子構造の中に枝分かれする構造(分岐鎖)を持っているからです。
20種類あるアミノ酸のうち、人体で合成することができないアミノ酸を「必須アミノ酸(EAA)」と呼びます。
BCAAは必須アミノ酸の仲間で、特に体を動かすエネルギー源となる役割があります。
bcaaを飲むとどうなる?期待される効果
BCAAには
- 素早くエネルギー源となる
- 筋肉のタンパク質分解を抑える
- 肉体疲労を軽減する
などの効果が期待できると言われています。
バリン・ロイシン・イソロイシンをバランスよく摂取することで、より高い効果を発揮するとされています。
バリンの効果|筋肉の修復や肝機能を向上
バリンには、筋肉の修復や肝機能向上、食欲増進などのあると言われています。
血液中の窒素バランスを調整する役割があり、筋肉の分解を防ぐため、ダイエットに役立てたい成分です。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/09/26/valine/
ロイシンの効果|筋合成や筋力低下を予防
ロイシンは、筋肉の合成や高齢者の筋力低下の予防などに効果が期待できると報告されている成分です。
ロイシンを摂取することで活性化する酵素が、筋肉の合成に関わっていることがわかっています。
BCAAの中でも、最も注目されていつ成分です。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/09/23/leucine/
イソロイシンの効果|筋肉の疲労回復、糖尿病予防
イソロイシンには、疲労回復、糖尿病の予防や改善などの効果が期待できると報告されています。
また、日本人の被験者を対象とした実験では、イソロイシンの化合物が高血圧を改善する結果が報告されています。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/09/23/isoleucine/
bcaaは効果なし?現状のエビデンスについて
どんな成分であれ、人体への効果を検証するには、膨大な実験と検証が必要です。
現状では、BCAAの効果はまだ検証段階。
「BCAAには一貫した結果が得られていない、まだはっきりとした効果がない」指摘する論文もあります。
しかし、「BCAAは効果なし」とも言い切れないのも事実。
実際、BCAAを摂取することで
- 運動がラクに感じらるようになった
- 疲労回復が早まった
- 筋肉痛が軽減された
と報告される実験は多く報告されており、BCAAの効果はかなり期待できると言えます。
BCAAの効果に関するこれまでにわかっているエビデンスや論文は、こちらの記事を参考にしてください。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/06/14/bcaa-effect-1/
BCAAは何のために飲む?|目的別の効果
- 脂肪を減らしてダイエットしたい
- 筋肉とつけてたくましい身体を目指したい
など、BCAAを摂取する目的は人それぞれです。
BCAAは身体を動かすエネルギーとして必要不可欠な成分なので、目的によって様々な役割を果たします。
ダイエットしたい
残念ながら、BCAAを飲むだけで運動をしなければダイエットできるわけではありません。
しかしが、BCAAを飲んで運動することで筋肉がつきやすくなるので、間接的にダイエット効果が期待できます。
飲むとすばやくエネルギーになるので、筋肉の分解を防ぐだけでなく、カロリー消費もしやすくなります。
また、BCAAの成分である「ロイシン」には過剰な食欲を抑制する働きが示唆されているため、食べ過ぎを防ぐ可能性もあります。
ただし、BCAA自体にもカロリーがありますので、飲み過ぎると逆に太る可能性も。
1日の推奨量を守って運動しながら飲むことで、ダイエット効果が期待できます。
参考記事:BCAAはダイエット効果がある?|男女での効果の違いや運動の必要性を解説
筋トレの効果を高めたい
BCAAの成分の中で、筋トレへの効果が特に期待されているのがロイシンです。
ロイシンには、体に「筋肉をつけなさい」という指令を出す役割があることが示唆されています。[1][2]
そのため、筋トレ中に飲むことで筋肉がつきやすくなることが期待されています。
しかし、このようなロイシンの筋肉合成を促すメカニズムはまだまだ未解明。
かなり詳しいところまでは分かってきていますが、今後も詳しい研究が必要です。
また、「筋肉をつけたい」という目的ならば、BCAAよりもEAAやプロテインを飲むことの方が効果的と言えます。
ロイシンに筋肉を合成する働きがあったとしても、筋肉の材料となるタンパク質がないと合成ができないからです。
仕事や勉強の集中力をアップさせたい
BCAAは、仕事や勉強での集中力アップ効果も期待されています。
起床時や間食時にBCAAを摂取すると、集中力を上げる、疲労感を軽減する、空腹感を紛らわすなどのメリットが期待できます。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/12/22/bcaa-work-efficiency/
BCAAの飲み方・摂取量やタイミング
BCAAは、目的によって効果的な飲むタイミングが変わります。
また、飲み方は水に溶かしてこまめに飲むことが推奨されます。
bcaaはいつ飲む?摂取タイミングや摂取量
BCAAは身体活動のベースとなる成分なので、基本的にいつ飲んでも問題ありません。
ただ、目的によっては最も効果を発揮する摂取タイミングがあります。
筋トレやダイエット、休日の疲労回復など、目的によって最適なタイミングで摂取しましょう。
起床時
栄養が枯渇しやすい起床後は、エネルギー不足によって筋肉が分解されやすくなります。
特にダイエット中はエネルギー不足になりやすく、筋肉が分解されて代謝が減り、リバウンドしやすい体質に。
起床後すぐに吸収の早いBCAAを摂取しておけば、身体に素早くエネルギーが行き渡り、筋肉の分解が抑制されます。
食事から栄養を摂取しても吸収されるまで時間がかかるので、起床後はBCAAがおすすめです。
参考:BCAAのダイエット中に適した効果的な飲み方やタイミングを詳しく解説!
寝る前
「寝る前に何か飲むと太るのでは?」と心配になりますね。
しかし、「摂取タイミング」と「太るかどうか」は無関係とする説が強く、1日のカロリーバランスを守れば太る心配は少ないと言えます。
参考:寝る前にアミノ酸を飲んでも太らない!太るかどうかは食事時間に関係なし
寝ている間は身体へのアミノ酸の供給が途絶えるため、筋肉が分解されやすくなります。
寝る前としっかりとアミノ酸を補給しておけば、筋肉量をキープしやすくなります。
運動前
BCAAは吸収スピードが早く、約30分で体内に吸収されます。
そのため、運動30分前にBCAAを摂取すると最も効果的と言われています。
運動数日前から蓄積されたBCAAの総摂取量よりも、運動直前のBCAAの摂取量の方がパフォーマンスへの影響が大きいという結果も出ています。[3]
運動中
運動を始めるとエネルギーが消費され、筋肉の合成と分解が始まります。
運動開始時に身体に栄養が足りていないと、筋肉の分解が優位に進んでしまいます。
運動中にもBCAAを摂取することで、トレーニングでのエネルギー切れを防ぎ、最後まで粘り強いパフォーマンスが期待できます。
マラソンランナーであれば、BCAAと糖質を溶かしたドリンクをレース中に飲むことで、水分と一緒にエネルギー補給ができます。
参考:ランニングにおすすめのサプリメント|ダイエットや疲労回復など目的別に解説
運動後
運動後1時間は、最も筋肉の合成が活発になると言われており、運動後すばやく栄養補給できるかどうかが重要です。
トレーニング後にBCAAよりも優先して摂取したいのが、筋肉の材料となるEAAやプロテイン。
運動後はBCAA単体で飲むよりも、EAAやプロテインと併せて摂取することが望ましいでしょう。
休日(運動しない日)
トレーニングをしない休日でも、疲労回復を早めるためにBCAAを飲むこと推奨します。
一般的に、タンパク質合成が盛んになると言われているのは筋トレしてから1時間まで。
栄養は、このタイミングで摂取するのが望ましいとされています。
しかし、1時間を超えても筋トレ後24時間は筋タンパク質の合成作用が続くという報告もあり、休日でもBCAAを摂取しておくと回復が早くなる可能性があります。
筋トレや運動しない日もBCAAは摂取したほうが良い3つの理由
BCAAの飲む量や上限について
BCAAの1回の摂取量の目安は2000mgです。
運動前に2000mg以上飲むことでBCAAの血中濃度が維持され、パフォーマンスが発揮できると言われています。
1日に必要とされるBCAAの摂取量については様々な推定が行われており、ある研究では1日に必要なBCAAは体重1kgあたり144mg(体重60kgの人なら8640mg)だという結果が出ています。
BCAAは体内で代謝されるため、摂りすぎても副作用はほとんどないといわれています。
しかし、一日に飲むBCAAの上限はサプリメントに記載されている容量を守ってください。
BCAAやどうやって飲む?水に溶かしてこまめ摂取
BCAAは水に溶かすだけで飲むことができます。
BCAA自体にやや苦みがあるので、苦手な方は好みのフレーバーがついたサプリメントだと飲みやすいかもしれません。
また、水分補給としてこまめに摂取することでBCAAが効率よく吸収され、筋肉の分解を防ぎやすくなります。
BCAAを含む食品やサプリなどの摂取方法
BCAAは、まぐろ、かつお、サンマ、あじ、鶏肉、牛肉、卵、納豆、チーズなどに多く含まれています。[4]
食品からも摂取することができますが、食品からBCAAを摂取しようとすると、吸収までに時間がかかります。
サプリメントなら携帯に便利で好きなタイミングで飲みやすいので、必要に応じて活用すると良いでしょう。
BCAAと他の成分を比較・使い分けの方法
「BCAA」と同じ必須アミノ酸の「EAA」や、さらに多くのアミノ酸からできている「プロテイン」。
それぞれ、どのように使い分けていいかわかりにくいですよね。
BCAA、EAA、プロテインは似たような働きがありますが、それぞれ成分や特徴に違いがあります。
利用シーンや目的によって使い分けることで、トレーニング効果を高めることができます。
BCAA・EAA・プロテインの目的別の使い分け
「BCAAとEAAとプロテインは、結局どれがいいの?」という質問がよくあります。
質問の答えは、「目的によって使い分ける」となります。
例えば、「持久走で最後までバテない走りをしたい」方は、即エネルギーになるBCAAが適しています。
参考:BCAAでエネルギーを補給|マラソンや長距離走でおすすめの持久力向上のサプリメント
しかし、「効率よくダイエットしたい」方は、筋肉の分解を防いて代謝をキープするEAAをおすすめします。
参考:ダイエットにはEAAが適している理由|ダイエットを成功させるためにはEAAとBCAAはどっちがいい?
筋肥大させたい・ビルドアップしたいならプロテイン、もしくはEAAがおすすめです。
また、そもそもEAAの中にはBCAAが含まれています。
そのため、もしBCAAとEAAで迷っている方は、EAAを選んでおけば間違いありません。
EAAとBCAAを併用するのも効果的
- BCAAは素早くエネルギーになる
- EAAはエネルギーにもなるし、体をつくる材料にもなる
という特徴があります。
このEAAとBCAAの特性に応じて、2つをうまく併用していきましょう。
- トレーニング前は、EAAを飲んで体内に栄養を蓄える
- トレーニングによって、体の中のエネルギーが消費されていく
- トレーニング中にBCAAを飲んで素早くエネルギー切れを防ぐ
- トレーニングが終わり、ダメージを受けた筋肉の超回復が始まる
- EAAやプロテインを飲んで、ダメージを受けた筋肉に栄養を行き渡らせる
このように、EAA、BCAAそれぞれの特性を生かして併用するのが良いでしょう。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/12/11/eaa-bcaa/
bcaaとプロテインの違いと使い分け
bcaaはアミノ酸で、アミノ酸が集まってできたものがプロテイン(たんぱく質)です。
プロテインとBCAAには、成分の種類が多さや吸収スピードに違いがあります。
吸収速度や成分の効果の違いから、BCAAはトレーニング前〜中、プロテインはトレーニング後に飲むのに適しています。
起床時や就寝前など、BCAAとプロテインを摂取する理想のスケジュールはこちらの記事で紹介しています。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/12/11/bcaa-protein/
BCAAと男女のダイエットの違い
男女では体型の違いがあるため、ダイエットしやすさにも違いがあります。
厚生労働省によると、体格指数(BMI)は男性は25以上、女性が30以上になると「体脂肪率が高い」状態だと判断しています。[5]
つまり、男性よりも女性の方が脂肪が多い体型なのです。
男性よりも筋肉がつきにくい女性は、筋肉量を増やさないとすぐにダイエット後にリバウンドしてしまいます。
BCAAは男性トレーニーが愛用しているイメージがありますが、筋肉量維持のためにむしろ女性が積極的に摂取したい成分です。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/07/26/bcaa-diet-1/
BCAAの副作用は?飲み過ぎるどうなる?
BCAAは筋肉でほとんど代謝されるため、多少摂りすぎても副作用はほとんどないといわれています。
食事から摂取する量であればほぼ問題ありません。
しかしサプリメントで腎臓の機能を超えてしまうほど摂取すると、腎臓に過剰な負担がかかる恐れがあります。
飲み過ぎると腎臓への負担がかかる
過剰摂取された不要なBCAAは腎臓を通して体外へ排出されますが、この時腎臓に負荷がかかります。
腎臓に負荷かかった状態が続くと、腎機能障害や慢性腎不全などを発症するきっかけになります。
BCAAを構成する必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)は、3種類のバランスが保たれることで本来の効果を発揮します。
そのため、どれかひとつでも摂取が多くなってバランスが崩れると、アンモニア排出の阻害を招く恐れがあります。
参考:バリンの副作用|必須アミノ酸「バリン」とは?BCAAの副作用について
bcaaは過剰摂取しても痩せない
過剰摂取となる摂取量については現在ではまだわかっていませんが、運動前であれば2000mgが適切な摂取量と言われています。
「いくら飲んでも過剰摂取にならないのだから、たくさん飲んでも問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、むしろ過剰摂取をするとカロリーオーバーになってしまい、逆に太る可能性があります。
https://saurusjapan.com/knowledge/2021/11/15/bcaa-overdose-diet/
BCAAを飲んで健康的な生活へ
BCAAは世界中から研究報告があり、疲労回復やパフォーマンス向上の効果が期待できる成分です。
素早く身体のエネルギーになるため、筋トレやダイエット、集中力アップなど様々なシーンで活用が期待できます。
副作用もほぼ無く、水に溶かして少しずつ飲むことで吸収され、筋肉の合成の分解を防ぐことができます。
プロテインやEAAと併用することで、より効率的なトレーニングができるでしょう。
ぜひ、生活の中でBCAAを取り入れてみてください。
参考文献
[1]Leucine stimulates translation initiation in skeletal muscle of postabsorptive rats via a rapamycin-sensitive pathway
[2]Leucine-Enriched Nutrients and the Regulation of mTOR Signalling and Human Skeletal Muscle Protein Synthesis
[3]日本生理入類学会誌. 「分岐鎖アミノ酸(BCAA)含有飲料摂取が漸増運動負荷中の生体に及ぼす影響について」
[4]筋肉量を増やすために必要な栄養素「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」|独立行政法人環境再生保全機構
[5]肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
船山 信次. 『アミノ酸』. 東京電機大学出版局. 2009, 280p
石浦 章一. 『タンパク質はすごい! ~心と体の健康をつくるタンパク質の秘密』.. 技術評論社. 2013, 240p
味の素株式会社. 『トコトンやさしいアミノ酸の本 (今日からモノ知りシリーズ) 』. 日刊工業新聞社. 2017, 160p
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