アミノ酸・タンパク質 基礎知識
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クレアチン摂取とテストステロンの関係|男性ホルモンは増える?
2021年12月30日 - 更新日: 2023年2月4日
クレアチンを飲むと、テストステロンが上がるでしょうか?
結論、クレアチンには摂取しても直接的にテストステロンを上げる効果はありません。
しかし、クレアチンを摂取することによって間接的にテストステロン向上が期待できます。
クレアチンと運動を組み合わせると運動のパフォーマンスを上げることができ、筋力が向上することでテストステロンの分泌量を増やすことができます。
今回の記事を最後までお読み頂くと、クレアチン摂取とテストステロンの関係を理解して、身体作りや運動のパフォーマンス向上に繋げることができます。
クレアチンとテストステロンの関係
- 直接的な関係はない
- 運動の強度が上がり筋肉量が増えれば、間接的に関係がある
詳しく解説していきます。
男性ホルモンの代表であるテストステロン
テストステロンとは、男性ホルモンの代表です。
たくましい筋肉やがっしりした体型など、いわゆる「男らしさ」をつくるための性ホルモンです。
思春期でよく知られる「第二次性徴期」では、急激にテストステロンの分泌量が増えるため、身体や精神が大きく発達します。
直接的な関係はない
クレアチン摂取するだけでテストステロン向上を期待することはできません。
「クレアチンには、テストステロンを増やす効果があるのでは?」という仮説を検証するために行われた実験があります。[1]
20人の健康な若い男性を、クレアチン摂取群とプラセボ群の2グループに分けます。
クレアチン群は1週間毎日クレアチンを25g摂取し、その後2週間は、毎日5gクレアチンを摂取しました。
一方でプラセボ群は、同量のブドウ糖を摂取しました。
その結果、2グループ間の被験者にテストステロン値の増加は見られませんでした。
このように、クレアチンにはテストステロンの増加させる根拠はありません。
なお、上記の実験からはジヒドロテストステロン(DHT)という抜け毛に関与することが知られているホルモンが優位に増加していた結果が報告されています。
この実験結果からでは「クレアチン=抜け毛の原因」という結論は得られませんが、非常に興味深い結果となっています。
詳細:クレアチンはハゲる?薄毛やニキビや肌荒れなど副作用があるか解説
運動の強度が上がる
クレアチン摂取と運動を組み合わせることで、総合的な運動能力の向上を期待することができます。[3]
筋量アップ・筋肥大を起こすためには運動の強度を上げることが必須ですが、クレアチンを摂取することで効率的にパフォーマンス向上に繋げることができます。
参考:クレアチンの効果とは?|摂取による筋力トレーニングへの作用を解説
ウェイトリフティングが短期間でテストステロン産生を増加させることを知っており[4][5]、筋肉量が向上すると、体内のテストステロン量を増やすことができます。
したがってクレアチンと運動を組み合わせて、パフォーマンスを向上させることはテストステロン向上へと繋げることができます。
テストステロンを上げることに繋がるクレアチンの飲み方
- 摂取量
- 摂取タイミング
こちら二つのテーマで解説していきます。
摂取量の目安は1日3~5g
クレアチンは一日3~5gを目安に摂取しましょう。
一日20g摂取して短期間で体内のクレアチン量を増加させる方法もありますが、試合を控えているスポーツ選手でない限り、3~5gを継続的に摂取することで十分に効果を発揮することができます。
筋量アップしてテストステロン向上を狙うためには、継続的なクレアチン摂取と運動を行いましょう。
参考:クレアチンの適切な摂取量や上限は?大量摂取での安全性について
摂取タイミングは運動中〜後
クレアチン摂取に適したタイミングは、運動中~後にかけてです。
運動後は筋肉がクレアチンを取り込む働きが高まっていますが、クレアチンは体内に吸収されるまでに二時間ほどかかるのでトレーニング中に摂取してもいいでしょう。
糖質はクレアチンの吸収率を上げる効果があるので、運動後にクレアチンと糖質を一緒に摂取するとさらに吸収率を高めることができます。
参考:クレアチンを摂取するタイミングは?|効果的な摂取の時間を解説
クレアチンを上手く利用して健康な生活習慣へと繋げる
クレアチン摂取と運動は継続的に行うことで、効果を発揮できます。
パフォーマンスが向上すれば運動を楽しく継続することができ、運動を継続すれば生活習慣も整い充実した毎日に繋がります。
食生活の乱れや睡眠不足はテストステロンを低下させる原因になりますので、運動を通して健康的な生活習慣を継続するとテストステロンが高い状態を保つことができますよ。
参考文献
[1]Three weeks of creatine monohydrate supplementation affects dihydrotestosterone to testosterone ratio in college-aged rugby players
[2]大学ラグビー選手における 4 ヶ月のトレーニングがホルモン分泌応答に及ぼす影響
[3]クレアチンモノハイドレートのサプリメント 補給:アスリートの認知能力に関する留意点 p52
[4]Acute and chronic effects of resistance exercise on the testosterone and cortisol responses in obese males: a systematic review
[5]Hormonal responses and adaptations to resistance exercise and training
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