ランニング・マラソン
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マラソンにおけるカフェインの効果的な摂取法とメリット・デメリット
2024年6月13日 - 更新日: 2024年8月4日
マラソンランナーにとって、エネルギーの維持や集中力向上は非常に重要なポイントです。その一助として、多くのランナーが「カフェイン」を摂取しています。
カフェインは、日常生活においてコーヒーやエナジードリンク、チョコレートなど、手軽に摂取できる一方、運動における「パフォーマンス向上」にも効果があることが知られています。
本記事では、マラソンにおけるカフェインの効果的な摂取法と、そのメリット・デメリットについて解説します。本記事をもとに、あなたのランニングパフォーマンスを最大限引き出すためのカフェイン摂取法を見つけてください。
カフェインのメリット
カフェインがランニングパフォーマンスに与える効果は多岐にわたります。以下に、その主なメリットを紹介します。
パフォーマンス向上
カフェインは中枢神経系に影響を及ぼし、脳の覚醒や注意力(集中力)の向上をもたらし、「パフォーマンスアップ」に寄与してくれます。
「パフォーマンス」とは具体的には以下2つなどを指します。
- 「VO2max」:最大酸素摂取量
- 「ランニングエコノミー」:走りの経済性。同じ速度をどれだけ少ない酸素摂取量(エネルギー)で走れるか
カフェイン摂取により、これらのパフォーマンスが即時的、一時的に向上することが期待できます。これはマラソンランナーにとっては極めて魅力的です。
持久力向上、疲労感軽減といったカフェイン摂取による効果はすでに多くの研究でも証明されているものですので、その効果は間違いありません。コネチカット大学(米)の研究によれば、最大17%、平均3%のパフォーマンス向上が見られたそうです。
また、ウルトラマラソンやウルトラトレイル、トライアスロンなど、長時間に渡るエンデュランススポーツでは、睡魔対策としても必須アイテムとなるでしょう。
疲労感の軽減
カフェインは、運動中の「疲労感を軽減」する効果があります。
これは、カフェインがアデノシン受容体の働きを阻害することで、疲労感を引き起こす信号を抑えるためです。もう少し詳しくお伝えします。
中枢神経系において、睡眠やリラックスを促す働きをする神経伝達物質が「アデノシン受容体」です。これとカフェインが結合することで、アデノシンのリラックス効果をブロックするのです。その反作用として、覚醒や活性化を引き起こす、というメカニズムです。
これは見方によっては、「体に鞭を打っている状態」ともいえるかもしれませんね。しかしこのメカニズムにより、ランナーはより長い時間、高いパフォーマンスを維持したり、即時的に覚醒をすることができます。
脂肪燃焼促進
カフェインは脂肪の代謝を促進し、エネルギー源として脂肪を利用しやすくしてくれる効果があります。
脂肪がエネルギーとして使われることで、グリコーゲンの消費を抑え、より長時間にわたって高いパフォーマンスを維持することが可能になり、持久力の向上に寄与してくれるわけです。
カフェインを適切に摂取することで、マラソンや長距離ランニングにおいて、疲労感の軽減に加え、持続的なエネルギー供給をサポートしてくれるでしょう。
カフェインのデメリットと注意点
カフェイン摂取には多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。また、デメリットということではないのですが、摂取にあたっての注意点もありますので、その辺りを以下解説します。
過剰摂取のリスク
カフェインを過剰に摂取すると、以下の副作用が発生する可能性があります。
- 心拍数の増加
- 不安感
- 消化不良 etc
特に、心臓に負担がかかるため、心臓疾患のリスクがある人は注意が必要です。また、過剰摂取により睡眠障害を引き起こすこともあるため、摂取量には十分注意しましょう。
記事後半でも解説しますが、基本的に適正量(体重1kgあたり3〜6mg)を超過しての摂取はおすすめしません。適正量を上回って摂取しても効果が倍増することはなく、リスクが増大するだけです。
多少“ハイ”にはなれるかもしれませんが、顕著なパフォーマンスアップは見込めませんのでやめておきましょう。
個人差による効果の違い
カフェインの効果には個人差があります。
一部の人はカフェインの摂取によって顕著なパフォーマンス向上を感じる一方で、効果がほとんど時間できない方もいるかもしれません。日常的にカフェインを摂取しているかどうか、でも効き目は変わってきます。
自分の体質や反応をよく理解し、適切な摂取量を見つけることが重要です。
カフェイン断ちの必要性
カフェインに対する耐性がついてしまうと、効果が減少する可能性があります。そのため、重要なレース前には「カフェイン断ち」を行う人も多くいます。
これにより、レース当日のカフェイン摂取の効果を最大限に引き出すことができます。ちなみに、カフェイン断ちの期間は人それぞれです。3日ぐらいで効果を実感できる人もいれば、数週間前からカフェイン断ちをする人もいます。
ただし、コーヒーが好きな方などで「カフェイン断ちのストレスが大きく、日常面でマイナス」と感じてしまう人は、無理にカフェイン断ちをしなくてよいでしょう。
一番大切なのは、日々を心身ともにストレスなく過ごし、良い状態でスタートラインに立つことです。コーヒー好きな方はカフェインレスコーヒーを利用するのもいいかもしれないですね。
カフェインの摂取方法とタイミング
カフェインの効果を最大限に引き出すためには、「摂取方法とタイミング」が重要です。トレーニングやレース前に適切な量を摂取することで、持久力や集中力の向上が期待できます。以下では、効果的な摂取タイミングや具体的な方法について、解説します。
トレーニング前のカフェイン摂取
トレーニング前にカフェインを摂取することで、パフォーマンスを最大化することができます。
一般的には、トレーニングの30分から1時間前にカフェインを摂取するのが理想的です。このタイミングでの摂取により、カフェインの効果が最大限に発揮され、トレーニング中の集中力と持久力が向上します。
【Tips】疲労の「マスキング」に注意する
トレーニングでカフェインを活用する場合は「疲労のマスキング」に注意しましょう。以下が考え方のポイントです。
「カフェインの覚醒作用が、本来回復させる必要がある疲労を隠してしまい、真の疲労回復を阻害する可能性がある。」
普段から負荷の高いトレーニングメニューを課している人の中には、レースの有無関係なしに、コーヒーなどとの嗜好品とは別で、トレーニングのパフォーマンスアップを目的にカフェインを摂取しているような人もいるかもしれません。
長期的な視点でトレーニング負荷と回復のバランスを取るためには、仮に一時的にトレーニングのパフォーマンスが落ちたとしても、一旦カフェイン摂取をやめ(=疲労した体を無理やりカフェインで覚醒させずに)、一度ぐっすり休ませる、という総合的な判断も必要です。
いつまでも疲労が抜けきらない 且つ 日常的にカフェインを摂取している、という人は上記の視点も持ち合わせておくと、パフォーマンス回復および向上の糸口が見つかるかもしれません。
レース当日のカフェイン摂取
レース当日も、もちろんカフェインの摂取は有効です。むしろトレーニングよりも、レースで最大限のパフォーマンスを発揮するためにカフェインを活用する方がほとんどですよね。
レースにおけるカフェイン摂取については、トレーニング時以上に「摂取量」や「摂取のタイミング」が重要です。
一般的には、レースの30分〜1時間前にカフェインを摂取することは先述の通りですが、個々の体質やカフェイン耐性により、適切量は異なります。レースではカフェイン効果が「結果」に直結することも少なくありません。
レースで最大限カフェインの恩恵を受けるためにも、自分に合った「適切な量」や「効くまでの時間(≒摂取タイミング)」「効果持続時間」などを見つけることが重要です。
カフェインの適切な摂取量
カフェインの適切な摂取量は個人差がありますが、一般的には「体重1kgあたり3〜6mg」が通説です。
例えば、下記3パターンの体重だと、以下が目安量になります。
- 体重60kgの場合 → 180〜360mg
- 体重65kgの場合 → 195〜390mg
- 体重70kgの場合 → 210〜420mg
ちなみに市販されているカフェイン系ドリンクのカフェイン含有量は以下の通りです。
- レッドブル 約80mg(1本あたり)
- Monster 約142mg(1本あたり)
- 眠眠打破 約120mg(1本あたり)
- メガシャキ 約100mg(1本あたり)
- ドリップコーヒー 約100mg(1杯あたり)
記事後半で触れますが、カフェイン入りのジェルなどでは、カフェイン含有量が200mgなどもあります。ガツンと効きますが、心拍が上がったり副作用があります(実際私も使用した経験がありますが、摂取後は動悸が通常よりも高くなっていた気がします)。
自分のカフェイン耐性などを考慮しながら、適切な摂取量を見つけること、あとは体調等により摂取量は適宜調整しましょう。
カフェインの効果を最大化するためのアドバイス
カフェインの効果を最大化するためには、適切な摂取タイミングや量を見極めることが重要です。また、個々の体質やカフェイン耐性を理解し、自分に最適な方法を見つけることも大切です。
以下では、カフェインが作用するメカニズムを理解し、効果を最大限に引き出すための具体的なアドバイスをお伝えします。
カフェインが作用するメカニズム
カフェインは次のような仕組みでパフォーマンスを高めると考えられています。
- 脂肪代謝の促進:脂肪の分解を促進しエネルギーとして脂肪を利用しやすくする(その結果、筋肉中のグリコーゲンを温存する)
- 筋出力の増大:運動神経の興奮性を高めて、多くの筋繊維を筋活動に動員させる
- 覚醒効果:リラックス効果を生むアデノシン受容体という神経伝達物質の働きを阻害することで逆に覚醒させ、疲労感を軽減させる
1点目は、フルマラソンやウルトラマラソンなど、競技時間が長い種目ほど恩恵が大きくなります。2、3点目は、トラック競技などの短めの種目からフルマラソン、ウルトラマラソンまで幅広く恩恵があります。
摂取タイミングと摂取量の調整
カフェインの効果を最大化するためには、適切なタイミングと量を見つけることが重要です。トレーニングやレースの前に少量から始めて、自分に合った摂取法を見つけましょう。
以下、各フェーズの目安の時間です。(下記時間はいずれも個人差があります)
- カフェインが体内に吸収されるまでの時間:約30分
- 摂取後、血中濃度が最大になるまでの時間:約30〜120分
- カフェイン摂取後の効果持続時間:約4時間(約4時間で体内の濃度が半分になると言われています)
上記を参考に摂取タイミングなどの計画を立てると良いでしょう。
効果が薄れてくると、目に見えるレベルでパフォーマンスが落ちてくると思いますので(そう実感するほどに効く人には効きます)、効果が完全に切れる前のタイミングを狙ってカフェインを追加補給するなどができると、パフォーマンスは最大化されます。
個別のカフェイン反応を把握する方法
度々記載していますが、カフェインの反応性には「個人差」があります。
元々のカフェインとの相性に加えて、体調なども影響するため、自分のカフェインに対する反応性の傾向を把握するためにも「記録」をつけてみることをお勧めします。
摂取量や摂取したタイミング、どのくらいで効いてきたか、どの程度の時間効いていたか、厳密な把握は難しいかもしれませんが、それらの観測によりパフォーマンスの変化を記録することで、再現性を高めることは可能です。
本番で確実に効いてほしいタイミングで最大限の効果を得られるように、最適な摂取法を探しましょう。
カフェインジェル/カフェイン錠剤の活用法
カフェインジェルや錠剤は、手軽にカフェインを摂取できるため、多くのランナーに人気があります。ここでは、それぞれの活用法について解説します。
カフェインジェル
カフェインジェルの利点
カフェインジェルの利点は、主に以下のような点です。
- 携帯性に優れ、ランニング中でも手軽に摂取できる
- ジェル状なので消化が早く、即効性がある
- カフェイン以外の成分も入っているので同時にエネルギー補給もできる
特に3点目がジェルの大きなメリットになると思います。(特にこのあと紹介するカフェイン錠剤との比較に置いて)
カフェインジェルの選び方
まずは、カフェイン含有量を確認しましょう。各ジェルで含有量は異なるため、自分の体重やカフェイン耐性に合わせたものを選ぶことが大切です。味や成分もメーカーによりさまざまあるので、自分に合ったものを見つけましょう。
※アミノサウルスのカフェイン入りジェルは「AMINO SAURUS gel」と「AMINO SAURUS GEL Elite」と2種類!是非お試しください!
カフェイン錠剤
カフェイン錠剤の利点
カフェイン錠剤の利点は、主に以下のような点です。
- 摂取量を正確にコントロールできる
- ジェルに比べても軽量且つコンパクトで携帯しやすく、持ち運びに便利
- 錠剤なので、ドリンクやジェルのように胃への残存感がない
二点目、三点目が特に大きな利点かと思います。ドリンク系、ジェル系、錠剤系を適宜うまく使い分けましょう。
カフェイン錠剤の選び方
カフェインジェルと同様に、カフェイン含有量を確認し、自分の目的に合った商品を選びましょう。
一般的には、1錠あたり100mgから200mgのカフェインが含まれています。また、他の成分や添加物にも注意を払い、自分の体に合ったものを選ぶことが重要です。
【まとめ】カフェインとうまく付き合いパフォーマンスを最大化しよう
本記事では「カフェイン」について、メリットやデメリット、摂取方法について解説してきました。
パフォーマンスアップのためのサプリや栄養素で有名なものだと「アミノ酸」や「クエン酸」などもよく聞くでしょう。これらの成分も、もちろんパフォーマンスアップや疲労軽減に貢献してくれます。
ただ、筆者の実感値として、体感として最も効果を感じやすいのは、カフェインではないでしょうか。
カフェインは、2004年まではドーピングの対象となっていました。これはつまり、それほどに”効果”が認められていたということに他なりません。
(その後ドーピング対象から外れた理由は、健康被害が少ない、摂取制限が困難、などの理由があるようです。いずれにしても現在はドーピング対象物ではありませんのでご安心ください。)
カフェインの効果には個人差があるため、自分に合った摂取方法を見つけることが重要ですが、適切に摂取することでマラソンランナーにとって非常に有益な”武器”となることは間違いありません。
カフェインとうまく付き合うことで、あなたのランニングパフォーマンスを最大限向上させましょう。
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