トレイルランニング
trail running
【Living on the Trail】今年は「伊豆トレイルジャーニー」に挑戦しよう!
2023年7月13日 - 更新日: 2023年8月15日
年末のトレイルレースといったらこれ!といっても過言ではない国内屈指の人気レース、「伊豆トレイルジャーニー(以下、「ITJ」)」をご存知でしょうか?
先日、今年の開催概要が発表され、「12月10日(日)」に開催されることが決まりました。今から待ち遠しいですね。
ITJは大会名に「I(伊豆)」とある通り、伊豆半島を走るトレイルランニングレースです。静岡県松崎港をスタートし、中伊豆の山々を超え、修善寺の温泉街を目指す約70kmのワンウェイコース。まさに「旅」です。
全体的に急登などは少ない比較的走りやすいコースで、レース中盤の伊豆山稜線歩道は富士山を目の前にしながら美しい稜線を走ることができます。(ただし、だいたい風がつよいです)
本記事では、ITJの全体概要を網羅的に整理した上で、なぜITJがこんなに人気なのか、その「魅力」にも迫ってみたいと思います。
伊豆トレイルジャーニー2023 概要
先日、7月9日についに2023年の大会概要概要が発表されました。下記、主だった項目をシェアします。
大会名称 | IZU TRAIL Journey 2023(伊豆トレイルジャーニー 2023) |
開催日程 |
12月9日(土)選手受付・アウトドアエキスポ 12月10日(日)6:00スタートITJ70k/11:00スタートAround Alone 28k |
開催場所 | 静岡県三島市、松崎町、西伊豆町、河津町、沼津市、伊豆市にまたがる地域 |
総合プロデューサー | 千葉 達雄(株式会社ソトエ 代表) |
コースプロデュース | 鏑木 毅(プロトレイルランナー) |
種目 |
①ITJ70k Trail & Mountain Running Championships 2023 ロングトレイル日本代表選手選考レース
②Around Alone 28k 途中、エイドでの給水・給食のできない無補給レース。
|
参加資格 |
※「直近のトレイルランニング大会の完走実績」は必須要件としない |
定員 |
①ITJ70k:1,500名 ※内訳:一般 1,200名、ふるさと納税 300名 (松崎町100名、西伊豆町100名、伊豆市100名) ②Around Alone 28k:250名 ※内訳:一般 190名、ふるさと納税60名 (松崎町20名、西伊豆町20名、伊豆市20名) |
ITRAポイント |
①ITJ70k:「3」 ②Around Alone 28k:「1」 |
参加費 |
①ITJ70k
②Around Alone 28k
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エントリー受付 | 7月25日(火曜日)正午より |
エントリー期間 |
2023年7月25日 (火) 12:00 (正午) ~ 8月6日 (日) 23:59 ※定員を超えた場合は<抽選> |
大会事務局 |
伊豆トレイルランニングレース実行委員会事務局 〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺955-1 |
公式サイト | https://www.izutrailjourney.com/ |
2022年との主な変更点
いくつか2022年大会との変更点があったようです。特に重要と思われる2点のみ抜粋しておきます。
【制限時間、関門】
ITJ70kでは「関門追加」、Around Alone 28kでは「フィニッシュ制限延長」という変更が加えられています。(以下、公式サイトより抜粋)
- ITJ70k:第6関門「伊豆市日蔭山出口」を追加(66km地点/20:00制限)
- Around Alone 28k:フィニッシュ制限時刻を30分延長(前回17:00→今回17:30)
第6関門の制限時刻20:00というのは、フィニッシュ制限時刻でもあります。つまり、これは足切りというよりは、運営上の理由(フィニッシュ後の運営上のタイムスケジュールの都合)かと思われます。
【環境対策(ITJ70k対象)】
ITJ70kを対象として、マイカップに加えて、マイカトラリー(食器類)が必要になるようです。(以下、公式サイトより抜粋)
ゴミの削減を目指し、エイドステーションの「しおかつおうどん」「しし汁」で使用する使い捨て発泡容器を廃止して、マイカップ同様に選手自身でお椀や箸・カトラリーを持参していただきます。
環境に配慮したこの流れは、今後他のレースでも続くでしょう。
コースプロフィール(コース図・高低図)
「ITJ70k」と「Around Alone 28k」のコース図と高低図をご紹介します。
下記のキャプチャを見ていただけばわかる通り、主に西伊豆と中伊豆を南から北へ縦走するルートです。
ITJ70k
ITj70kは、松崎新港(松崎町)をスタートし、林道を経て伊豆山稜線歩道(二本杉峠、仁科峠、達磨山など)を経て、修善寺(伊豆市)にフィニッシュする、距離69.1km・累積標高差 +3,242m -3,162mのコースです。
Trail & Mountain Running Championships 2023 ロングトレイル日本代表選手選考レースにも選定されており、トップトレイルランナーが集結するのも特徴です。トップトレイルランナーの走りを間近で見れるかもしれません。
Around Alone 28k
Around Alone 28kは、仁科峠をスタートして修善寺を目指すコースで、距離28.9km・累積標高差 +1,139m -1,803mとなります。スタートから伊豆山稜線歩道の絶景です。
2020年以降新設されたカテゴリーで今年で4回目となりますが、大きな特徴は「途中、エイドでの給水・給食のできない無補給レース」であること。補給食はすべて自分で背負うことになります。
レース難易度
レースの難易度をはかる切り口はいくつかありますが、ここでは「過去の完走率」をみてみたいと思います。
ITJは2013年の第1回開催から今年で10回目の開催となりますが、ここでは直近5年(2018〜2022)のデータをまとめてみました。(蛇足ですが、これをみるとコロナ禍でも開催されていた本当に貴重なレースでした。主催者の「この大会を途絶えさせたくない」という想いを感じます。)
ITJ70k 直近5年(2018〜2022)の完走率
年度 | ITJ70k(男子) | ITJ70k(女子) | ||||
出走数 | 完走数 | 完走率 | 出走数 | 完走数 | 完走率 | |
2022 | 1,290 | 1,130 | 87.6% | 237 | 210 | 88.6% |
2021 | 1,170 | 1,068 | 91.3% | 220 | 199 | 90.5% |
2020 | 1,004 | 944 | 94.0% | 180 | 164 | 91.1% |
2019 | 1,244 | 1,177 | 94.6% | 202 | 190 | 94.1% |
2018 | 1,357 | 1,171 | 86.3% | 229 | 170 | 74.2% |
(直近5年の完走率:ITJ公式サイトRESULT等より手動集計)
Around Alone 28k 直近3年(2020〜2022)の完走率
年度 | AA28k(男子)※2020は26k | AA28k(女子)※2020は26k | ||||
出走数 | 完走数 | 完走率 | 出走数 | 完走数 | 完走率 | |
2022 | 139 | 130 | 93.5% | 82 | 74 | 90.2% |
2021 | 146 | 141 | 96.6% | 61 | 58 | 95.1% |
2020 | 115 | 114 | 99.1% | 71 | 71 | 100% |
(直近3年の完走率:ITJ公式サイトRESULT等より手動集計)
上記の通り、完走率はいずれの年も高く、ほとんどの年で9割を超えています。
ITJ70kの制限時間は14時間ありますので、ゆっくりとでも動き続けることができれば、スピードがなくても大丈夫です。
次の見出しで取り上げますが、「参加資格」も緩く、幅広いランナーに門戸が開かれているので是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参加資格
参加資格については以下の通りです。(以下、公式サイトより抜粋)
①ITJ70k
- 大会当日に18歳以上の男女。
- 全コースを迷うことなく制限時間内に完走の自信がある人。
注)「直近のトレイルランニング大会の完走実績」は必須要件にはしませんが、これまでに25km以上のトレイルランニングレースまたは40km以上のロードレース等を完走した経験のある方の参加を強く奨励します。
②Around Alone 28k
- 大会当日に18歳以上の男女。
- 全コースを迷うことなく制限時間内に完走の自信がある人。
特筆すべきは、この規模の、しかも著名なレースにしては珍しく、『「直近のトレイルランニング大会の完走実績」は必須要件にはしない』という点でしょう。
より多くのトレイルランナーに門戸が開かれた形になりますので、是非思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。(ただし、概要に記載の通り、ある程度の距離のトレイルレース未経験での挑戦は無謀ですので、自分の経験値と実力を客観的にみて、参加を判断しましょう)
宿泊
ITJは前日受付が必須なので、前泊が必須になります。
宿確保はとにかく早めに
エントリー自体は抽選ですので特に慌てる必要はありませんが(※ふるさと納税枠は先着順)、宿泊先の確保は時間との勝負です。
トレイルランニングの大会にしては大規模(ITJ70kmの定員1500名)なので、早めに確保しないと確実に宿探しに苦労します。
また、ロングレースは早朝スタートなことがほとんどなので(本レースも6:00スタート)、宿泊先とスタート会場が近いに越したことはありません。運よく抽選に当たったら、まずはすぐに宿の確保に動きましょう。
宿情報については、事務局提携のおすすめ宿も公表されるので、本記事後半に記載する各種大会SNSに登録して情報発信を待ちましょう。(※公式サイトには「推奨する宿泊施設のご案内は2023年8月上旬に公開予定」と記載あり)
https://www.izutrailjourney.com/jptop/accommodations/
大会関連施設「ITJ BASE Shuzenji」(2021年オープン)
尚、2021年に本大会の関連施設として、「ITJ BASE Shuzenji」が修禅寺にオープンしました。宿泊・飲食の拠点として、レース時の宿泊はもとより、レースの試走や登山の拠点としても活用できます。
修禅寺はフィニッシュ地点なので前泊での利用は難しいと思いますが、フィニッシュ後に後泊にはいいかもしれません。
エントリー(7/25 火 正午〜開始)
エントリー受付は、「7月25日(火)正午」より開始です。
定員を超えた場合は「抽選」となりますので、慌てる必要はありませんが(※ふるさと納税枠は、 定員を超えた場合「先着制」)、エントリー期間は、7月25日 (火) 12:00(正午)〜 8月6日(日)23:59の「約12日間」しかありません。
うっかりエントリーを忘れてしまったということのないように、参加を検討している方は忘れずにご自身のスケジューラーに登録しておきましょう。
ITJの魅力4つ
ITJの魅力はたくさんありますが、ここでは特に”推し”の魅力を4つ挙げてみました。
①伊豆山稜線歩道の開放感と絶景
レース中盤からしばらく続く「伊豆山稜線歩道」はITJのハイライトといってもよいでしょう。
伊豆山稜線歩道は、伊豆半島のほぼ中心に位置する天城峠から修善寺虹の郷までを結ぶ全長43kmの自然歩道ですが、ITJではレース後半(29.1km地点の二本杉峠以降)にこの稜線を走ることができます。
笹原の広がった稜線は開放的な景色や絶景とは裏腹に、風が強く吹き抜けていることも多く、レース参加者の感想としては、「絶景だった。でも、けっこう寒かった。」というコメントもよく聞きます。
しかし、大きな富士山を背景にして、先まで続いている稜線上のトレイルを目の前にすると、「ロングトレイルが旅である」ことを実感し、感動すること間違いなしです。
このシチュエーションは、やはり富士山の近くで開催されるレースでしか味わえません。
②まさに旅!修禅寺を目指す「ワンウェイコース」
スタート地点とフィニッシュ地点が異なる「ワンウェイコース」のトレイルレースは実はそう多くありません。
なぜなら、ワンウェイの場合、レース中に本部機能等をスタート地点からフィニッシュ地点に移動しなければならなかったりと、運営がとにかく大変だからです。
しかし、参加者からするとワンウェイのロングレースというのは、まさに「旅感」を味わえる最高のコース設計です。
これをプライベートでやろうとすると、荷物をすべて自分で背負った上で行動しなければなりませんが、レースであれば、不要な荷物は当然フィニッシュ地点まで運搬してくれるので、身軽な状態で走れます。
70kmもの距離を自分の足で走って進み、変わりゆく景色や地形を五感で感じながら、スタート地点とは違う土地に辿り着く、という「充実感」と「達成感」はひとしおです。その舞台が伊豆ならば、もう文句はありません。
③フィニッシュ地点が「温泉街」
ITJのフィニッシュ地点は「修禅寺」です。伊豆半島でもっとも歴史があり、日本百名湯にも選ばれている「修禅寺温泉」があなたを待っています。
一年間を通して比較的温暖な気候の伊豆半島ですが、そうはいってもこの時期の伊豆は寒いです。空気も冷たく、寒風が肌身に染みます。
夜明け前となるスタート前でまず凍え、レース後半の伊豆山稜線歩道では、吹き抜ける風に凍えるでしょう。
レースも終盤になるにつれて、徐々に湧き上がってくる達成感とは裏腹に、蓄積された心身のダメージはそれなりだと思います。
しかし、いくつもの峠を超えて、永遠に思えた稜線を走り抜け、辿り着いた先が歴史のある温泉街というのは、なんともロマンチックな気がしませんか?まさに「旅の終着点」にふさわしい設定です。
命からがら辿り着いたフィニッシュ後は、仲間とレースの苦労を労いながら、ゆっくりと温泉に浸かって疲れを癒しましょう。
④千葉達雄氏&鏑木毅氏「名物タッグ」のプロデュースレース
ITJのレースをメインで作り上げているのは、以下のお二人です。
- 総合プロデューサー:千葉達雄
- コースプロデューサー:鏑木毅
トレイルランを長くやっていると必ず知ることになるトレラン界の有名人です。
このお二人は、”あの”UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)の実行委員も務めています。(大会会長に鏑木毅氏、共同代表に千葉達雄氏)
このことからもわかるように、日本を代表するレースをプロデュースしている二人がタッグを組んでいるので、ITJのクオリティも計り知れます。
ちなみに、千葉氏は伊豆修善寺出身。地方レースにおける「魅力」は、主催者の「熱い想い」があってこそ最大化されると思います。
故に千葉氏が持つ、「地元である修禅寺、そして伊豆全体を盛り上げたい」という想いは誰よりも強く、その想いがいろいろな形で現れているのが、このITJというレースです。
各種SNSに登録して情報を受け取ろう
ITJの事務局では、さまざまなSNSで情報を発信してくれています。
レース参加者はもちろんのこと、ITJに興味があるという方も、是非フォローして情報を受け取ってはいかがでしょうか。
Facebookグループ:https://www.facebook.com/izutrailjourney
Twitter:https://twitter.com/izutrail
Instagram:https://www.instagram.com/izutrailjourney_itjbike/
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【まとめ】一度は必ず参加したいレース
ITJは、トレイルランニングをやっているのなら是非一度は参加したいレースです。
なによりも「Living on the Trail」というキャッチフレーズが最高ですよね。「トレイルとともに生きる」「トレイルとともに暮らす」といった、伊豆のトレイル(自然)に対する深い想いが込められています。
大人気のため今では抽選となっていますが、もし0次関門(=エントリー)を突破できたら年末の一大イベントとして、「伊豆の旅」を存分に満喫してほしいと思います。
トレイルを愛する、伊豆を愛する人たちが作り上げた最高のイベントです。是非ともチャレンジしてみてください。
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