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【コース詳説】開催回数60回超え!歴史ある「愛媛マラソン」の攻略方法
2023年12月16日 - 更新日: 2024年8月4日
今から約60年も前の1963年に「競技会」として始まった愛媛マラソン。愛媛県で唯一の日本陸連(日本陸上競技連盟)公認のマラソン大会になります。
2024年大会で61回目の開催を迎えますが、これだけの歴史があるマラソン大会も珍しいのではないでしょうか。
レース前後には、”日本三古湯”の一つ「道後温泉」を満喫できますし、松山市は夏目漱石「坊ちゃん」の舞台でもあります。観光地としても魅力満載のマラソン大会です。
また、完走賞(フィニッシャーズバスタオル)は全国ブランドの「今治タオル」。こういった地域色は嬉しいポイントですよね。
本記事では、そんな魅力満載の愛媛マラソンの、大会概要、コース概要、難易度、Tipsなどをまとめています。是非この記事を読んで、参加を検討してみてください。
大会概要
愛媛マラソンは、大会メインスポンサーでもある南海放送によって、毎年テレビ中継もされている地元に根付いた大規模マラソン大会です。
当初は選抜されたランナーだけが参加する「競技会」としてスタートしましたが、その後平成22年(2009年)には市民マラソンに生まれ変わりました。
まずは、愛媛マラソンの「大会概要」からお伝えします。
大会名 | 愛媛マラソン |
例年の開催日時 | 2月の第2日曜日(2024年は2/11日曜日開催) |
レーススタート | 10:00スタート |
主催 | JAAF(一般社団法人愛媛陸上競技協会)、南海放送、愛媛新聞社、松山市 |
主会場 | 城山公園 |
主な協賛企業 | MIURA(三浦工業株式会社)、エリエール、愛媛銀行、伊予銀行、太陽石油、JAバンクえひめ、明治、ヤマキ 等 |
種目 | マラソン(42.195km) |
定員 | 10,000人 |
制限時間 | 6時間(5.9〜40.5kmの間に10箇所の関門) |
参加費 | 12,100円(税込・別途手数料等がかかります) |
コース | 日本陸上競技連盟公認・ワールドアスレティックス(WA)/AIMS公認 愛媛県庁前(スタート)~北条文化の森公園~折返点~城山公園(フィニッシュ) |
関門数 | 9箇所(5.4km地点以降、39.6km地点までに9箇所の関門) |
完走賞 | 「今治タオル」ブランドの大会オリジナルバスタオル |
エントリー | ①アスリートエントリー(先着:3,000名) グロスタイムで「男子3時間30分、女子4時間以内のランナー」を対象 ②ネットタイムアスリートエントリー(先着:200名) ネットタイムで「男子3時間30分、女子4時間以内のランナー」を対象 ③第60回ランナーボランティア有資格者エントリー(優先) ④一般エントリー(抽選) 2023年8月1日(火)~8月18日(金) |
エントリー期間 | 例年「8月初日から3週間程度」 ※2023年は「8/1〜8/18」でした。必ずご自身でご確認ください。 |
大会参加者駐車場 | 有(8時間まで無料/台数に限りあり) ※エントリー手続き終了後、ホームページの専用フォームより申し込み |
公式サイト | https://ehimemarathon.jp/ |
大会SNS | FB:https://www.facebook.com/Official.EhimeMarathon X(旧Twitter):https://twitter.com/ehimemarathon IG:https://www.instagram.com/ehimemarathon/ |
大会事務局 | 愛媛マラソン 2024 平日10:00~17:00 TEL:089-915-8460(ハシロウ) FAX:089-915-2388 MAIL:info@ehimemarathon.jp |
開催日程は、例年2月の上旬前後となります。
過去の天候については後述しますが、2月は思った以上に寒いです。防寒対策は万全にして臨みましょう。
コース概要
まずは「コース図」と「高低図」をみていきます。
高低差40mの大きなアップダウンが序盤と終盤に1回ずつあり、優しいコースではありません。
しかも、制限時間は「6時間」と、東京マラソン(7時間)や大阪マラソン(7時間)など、他の大規模マラソン大会に比べると少々厳しめのため、マラソン初心者の方は自分の走力を踏まえて、エントリーは検討しほうが良いでしょう。(もちろんあえて高い目標にチャレンジすることもマラソンの醍醐味ですよ)
コース図
早速、「コース図」をみてみましょう。
ざっくり全体感をお伝えすると、以下のようなイメージです。
- 愛知県庁前をスタート
- 賑やか且つ下り基調の平和通りを走ってから右折(北上)
- 平田交差点前後で一つ目の大きなアップダウンを超え
- 瀬戸内海を左手にみながら北上
- 折り返して今度は瀬戸内海を右手にみながら南下
- 往路でも通った平田交差点前後の大きなアップダウンを再度超え
- フィニッシュまでの登り基調のコースを踏ん張り
- 松山城の麓の「城山公園」にフィニッシュ
さらなる詳細は後述します。
高低図
次に「高低図」をみて、立体的にもコースの特徴を掴んでおきましょう。
見ての通り、往路の8km付近・復路の36km付近に高低差40mを上り下りする坂があります。この2つをいかに攻略できるかが、完走への一つのポイントです。
また、2回の大きなアップダウンが目立つため見逃してしまいがちですが、36km付近(2回目)の大きなアップダウンを越えたあとは、フィニッシュまで上り基調となっています。
1回目のアップダウンはまだ元気だと思いますのでまだしも、2回目のアップダウンとその後の上り基調は、ランナーによっては少し堪えるかもしれませんね。
「終盤が厳しいコース設定」であることは頭に入れておくと良いでしょう。
コース詳細(各区間の高低図を抜粋)
ここまでで愛媛マラソンのコースの「全体像」は少し押さえられたでしょうか。
次に、コースを序盤(スタート〜10km)/中盤(10〜30km)/終盤(30km〜フィニッシュ)に区切って、詳細に迫っていきましょう。
序盤(スタート〜10km)
まずは愛媛県庁をスタートし、1kmほどでメイン通りである「平和通り」に出ます。ここからはゆるい下り基調になります。
その後4km過ぎで右折し、北条方面へ北上を開始します。
7km地点(平田交差点あたり)で一つ目の大きなアップダウンです。高低差40mを一気に駆け上がり、そのあとは同じ高低差を駆け下ります。ここはまだまだ元気だと思いますが、このアップダウンを復路でも通りますので、イメージしておくとよいかもしれません。
中盤(10〜30km)
過酷な平田交差点の坂を越えたら、瀬戸内海を左手にしながら北上を続けます。
ここは中盤区間として、距離として20km分を区切りましたが、大きなアップダウンはなく「黙々と頑張る区間」になります。
途中大きなトンネルを何回かくぐりつつ、20km手前で右折すると周りの様子がのどかな雰囲気に変わってきますが、ここは沿道の応援も極端に少なくなってきます。
少し寂しくなりますが、目標ペースを刻みながら黙々と頑張りましょう。
折り返し地点(中間地点)を回ったら、元来たコースを今度は南に向かっていきます。
終盤(30km〜フィニッシュ)
30kmを越えたらそろそろ”心構え”をしましょう。
35〜36km地点で「2回目の大きなアップダウン」が待ち構えています。
マラソンには「30kmの壁」があるとよくいわれますが、単にフラットな道を走っていても「壁」にぶち当たるのに、愛媛マラソンでは30km以降に「リアルな壁(坂)」が待ち受けているわけです。
疲れが溜まった状態でこの難所を乗り越えられるかが、完走の鍵になりそうです。
「2回目の壁」を乗り越えると残りは5km程度になりますが、ここからフィニッシュまでがなんと上り基調です。緩い上りとはいえ、すでに鉛のように重くなった脚には、思った以上に”斜度”を感じるかもしれません。
エネルギー補給をして、最後まで諦めずに走り切りましょう。
愛媛マラソンの「難易度」
こんな「坂祭り」である奈良マラソンの「難易度」はどの程度でしょうか。ここでは直近5大会の「完走率」と「天候」をみてみたいと思います。
【完走率】完走率は9割前後。制限時間は6時間。
直近5大会の完走率(※2021、2022はコロナで中止)」は以下のとおりです。
開催年 | 出走者 | 完走者 | 完走率 |
2023 | 10,140 | 8,895 | 87.7% |
2020 | 10,408 | 9,554 | 91.8% |
2019 | 10,318 | 9,530 | 92.4% |
2018 | 10,367 | 9,267 | 89.4% |
2017 | 10,293 | 9,413 | 91.5% |
基本9割前後の完走率ですが、前回(2023)は87.7%と落ち込みました。
これをざっくり人数換算してみると、例年より500人以上が完走できなかったことになります。パーセンテージではわずか数ポイントの差ですが、人数でみるとなかなかのインパクトがあります。
この後に、直近5年の「天候」について触れますが、要因はそこにありそうです。
【天候】最高気温は10度前後。スタート前の防寒対策をしっかりしよう。
次に大会当日の気象条件(天候・最低気温・最高気温)を見てみます。
こちらも直近5大会を遡って、まとめてみました。
開催年 | 天候 | 最低気温 | 最高気温 | 湿度 |
2023 | 晴れのち曇り | 12.0℃ | 15.0℃ | 48〜71% |
2020 | 晴れ | 5.5℃ | 9.0℃ | 33〜55% |
2019 | 晴れ | 7.0℃ | 9.5℃ | 30〜60% |
2018 | 晴れのち曇り | 1.5℃ | 3.5℃ | 25〜91% |
2017 | 晴れのち曇り | 5.5℃ | 9.0℃ | 33〜62% |
※レース当日の9:30-16:00の間の気候条件
完走率が87.7%と凹んだ2023年大会は「気温が高かった」ということがわかります。
殺人的な暑さだった夏場に比べればとても快適な気候ですが、この時期にこの気温まで上がってしまうと、暑熱順化ができていない体には堪えます(初心者ランナーは特に)。
今年は暖冬の予想が出ていますので、当日「暖かい気候」になることもあり得るでしょう。もし暖かくなりそうな時は、水分補給・塩分補給が重要になります。
補給にはアミノサウルスシリーズを是非活用してください。
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【倍率】例年2.5倍以上!年々人気に拍車がかかっている人気大会
愛媛マラソンの「難易度」という意味では、これもお伝えしておかねばなりません。
まずはこの「0次関門(=エントリー)」を突破できるかどうか、から愛媛マラソンはスタートします。
以下、2015年以降の当選倍率を出してみました。(参加定員は、アスリートエントリーの3,000人は除いています。)
年度 | 申込み人数 | 定員 | 倍率 |
2015年 | 17,167人 | 7,000人 | 2.45倍 |
2016年 | 18,805人 | 7,000人 | 2.69倍 |
2017年 | 19,565人 | 7,000人 | 2.80倍 |
2018年 | 20,875人 | 7,000人 | 2.98倍 |
2019年 | 20,650人 | 7,000人 | 2.95倍 |
2020年 | 21,396人 | 7,000人 | 3.06倍 |
2021年(延期) | – | – | – |
2022年(非公表) | – | – | – |
いずれの大会も2.5倍以上です。5人中2人しか当選しないという、なかなかの狭き門です。しかも年々人気が高まり(最近では海外からのエントリーも増えているとか)、抽選倍率は高まるばかりです。
晴れて0次関門を突破できたら、落選してしまったランナーの分まで、精一杯自分のベストを尽くし、完走を目指して頑張ってください。
愛媛マラソンTips(ゲストランナー/サポーター/応援ゲスト)
大規模マラソンの一つの楽しみといえば「ゲストランナー」ではないでしょうか?
ここでは愛媛マラソンをより楽しむためのTipsとして、「芸能人(ゲストランナー)」を紹介します。
2024年大会は以下の方々がゲストランナーやサポーターとして、大会を盛り上げてくれます。
高橋尚子(ゲストランナー)
言わずと知れたQちゃんです。Qちゃんを見れるとやはりテンションは上がりますよね。パワーをばっちりもらいましょう。
《プロフィール》
1972年5月6日生まれ/岐阜県出身
中学から本格的に陸上競技を始め、県立岐阜商業高校、大阪学院大学を経て実業団へ。98年名古屋国際女子マラソンで初優勝、以来マラソン6連勝。2000年シドニー五輪金メダルを獲得し、同年国民栄誉賞受賞。2001年ベルリンでは女性として初めて2時間20分を切る世界記録(当時)を樹立する。08年10月現役引退を発表。 公益財団法人日本陸上競技連盟 常務理事、公益財団法人日本オリンピック委員会 理事、一般社団法人パラスポーツ推進ネットワーク理事長。その他「高橋尚子のスマイル アフリカ プロジェクト」や環境活動、TBSスポーツキャスター、JICAサポーター、中日新聞社本社客員などで活躍中。(出典:公式サイト)
土佐礼子(スペシャルサポーター)
スペシャルサポーターは愛媛/松山出身の土佐礼子さん。現役時代の「諦めない走り」は応援する人を感動させてくれました。
出身地のマラソン大会ということもあり、土佐さん自身が一番気合いが入っていると思います。エネルギーをお裾分けしてもらってください。
《プロフィール》
松山市(旧北条市)出身
三井住友海上火災保険 女子陸上競技部 アドバイザー
松山商業高校時に陸上競技を始める。松山大学在学時、愛媛マラソンで初優勝を飾る。1999年三井住友海上火災保険(旧三井海上火災保険)入社。2001年エドモントン世界選手権銀メダル、2004年名古屋国際女子マラソン優勝、2004年アテネ五輪5位入賞、2006年東京国際女子マラソン優勝、2007年大阪世界陸上銅メダル、2008年北京五輪出場。引退後はアドバイザーとして後進の育成にあたるほか、ゲストランナー、講演会などを通じ走る楽しさを発信している。2児の母。マラソンベストは2時間22分46秒。(出典:公式サイト)
浜口京子(応援ゲスト)
2024年大会は応援ゲストとして浜口京子さんも参加してくれるようです。
レスリングの世界で「世界一」を何度も獲ったスーパーアスリート。たくさんの笑顔と声援を飛ばしてくれるでしょう。
《プロフィール》
女子レスリング選手
東京都浅草生まれ
父アニマル浜口の指導のもと13歳からボディービルを始めて14歳からレスリングを始めた。2004年アテネ五輪、2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪出場し、アテネ、北京では銅メダル獲得。全日本選手権では歴代最多16回優勝、世界選手権5回制覇。女子レスリング最重量級選手であり、現在はテレビ、イベントで活躍中。(出典:公式サイト)
【まとめ】”歴史ある”愛媛マラソンを観光とセットで満喫しよう
2回ある「大きなアップダウン」を少し強調してお伝えしてきましたが、(矛盾して恐縮ですが)恐れることはありません。
「急な坂」とはいえ、決して長くはありません。
上り坂では「目線は下にする」「腕はしっかり振る」「歩幅は小さいまま」など、走り方にコツがあります。このようなことを意識して走れば、きっと楽に攻略できます。
記事内では触れていませんが、エイドでは愛媛の特産品ももちろん振る舞われますので、エイドも楽しみつつ、ぜひ愛媛の地でフルマラソンを走り切りましょう(「ポンジュース」も出るらしい!?)。
あなたの”快走”を期待しています!
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