
EAA(必須アミノ酸)
eaa
必須アミノ酸「ヒスチジン」とは?
2021年9月26日 - 更新日: 2022年12月8日
「ヒスチジンって食欲を抑える効果がある?」
「子どもにとってヒスチジンはすごく大切なの?」
あまりなじみのないかもしれませんが、ヒスチジンはとても大切な必須アミノ酸です。この記事では、ヒスチジンの効果や、ヒスチジンを多く含む食品などを紹介します。
ヒスチジンとは
ヒスチジンは必須アミノ酸のひとつで、体内で特に成長に関与するアミノ酸なので、成長期の乳幼児には欠かせません。かつて、ヒスチジンは乳児期には準必須アミノ酸でした。乳児期以降の年齢では、体内での生成が可能であるとされ、非必須アミノ酸として扱われていたのです。しかし、大人でもヒスチジンが不足すると体内の窒素のバランスが崩れ、皮膚疾患や神経系に異常が現れることがあるため、1985年より必須アミノ酸に分類されています。
ヒスチジンの効果
ヒスチジンの効果について、具体的には以下のようなものがあげられます。
成長促進効果
ヒスチジンは子どもの発育に不可欠な必須アミノ酸です。大人は体内で合成ができますが、子どもはできないため、成長を促進するために積極的な摂取が必要になります。ヒスチジンが不足すると発育不良になってしまうことも。
ダイエット効果
ヒスチジンは、交感神経を刺激するヒスタミンに変換されることにより、神経機能に働きかけ、脂肪細胞において交感神経を刺激。交感神経が刺激された脂肪細胞は脂肪燃焼を促進されるため、脂肪が燃えやすくなり、ダイエットにつながります。また、ヒスチジンによって生成されたヒスタミンによって、食欲抑制効果もあるとされているので、ダイエットにも効果的です。1
脳神経を保護する効果
ヒスチジンは、脳梗塞など急性期の脳虚血疾患による脳組織が死滅するのを抑える可能性があることが明らかになっています。2 これはヒスチジンの神経機能補助の役割によるもので、脳神経を保護することから、虚血性脳障害の予防につながっているようです。
貧血の治療効果
ヒスチジンは、貧血の治療に効果を発揮することがわかっています。3 ヒスチジンは赤血球を形成する時に必要です。ヒスチジンの摂取により赤血球の形成が促進され、貧血の治療をサポートしてくれます。
慢性関節炎の緩和
ヒスチジンは、体内で交感神経を刺激するヒスタミンに変換されます。このヒスタミンの特徴は、外傷や薬など外部からの刺激に応じて血管を拡張する働きです。それによって、膝や肘、肩などの慢性的な関節炎の痛みやストレスをやわらげます。4
紫外線による皮膚ダメージを軽減する効果
ヒスチジンの特徴のひとつは、紫外線によって受ける皮膚のダメージや刺激を軽減させる効果です。シミやそばかすができにくいことや、皮膚がん予防にもつながることも考えられています。5
ヒスチジンが不足するとどうなる?
ヒスチジンは必須アミノ酸なので、摂取量が不足するとさまざまな体の不調をもたらします。
特に子どもはヒスチジンを体内で合成できません。そのため、ヒスチジンが不足してしまうと、成長不良となってしまいます。ヒスチジンを体内で合成できる大人であっても、不足することによって体内の窒素バランスが崩れることも。神経機能の低下や皮膚トラブル、肥満などを引き起こす恐れがあるため、積極的な摂取が望ましいです。
ヒスチジンの副作用
ヒスチジンは体内でも合成される必須アミノ酸です。適切に経口摂取する場合には安全性が示されており、基本的に副作用は起こりません。ただし、ヒスチジンは体内でヒスタミンに変換されるので、ヒスチジンを過剰に摂取してしまうと、ヒスタミンの血中濃度が増加してしまいます。結果、アレルギー症状を進行させてしまう恐れも。喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を持つ方は、強いかゆみやじんましん、場合によってはショック症状を起こすなどの過剰反応が出ることがあります。
ヒスチジンを含む食品と1日の摂取量目安
ヒスチジンが多く含まれる食品は以下の通りです。6
特に青魚に多く含まれており、1食あたりの使用量と含有量は以下のようになっています。
ヒスチジンの1日摂取目安量は、大人で体重1kgに対して約10mgです。体重60kgの人であれば600mgの摂取が求められるので、青魚を100g食べれば十分にヒスチジンを摂取できます。
青魚を食べてヒスチジンを積極的に摂ろう
ヒスチジンについて、効果や副作用、多く含む食品について紹介しました。
ヒスチジンは、必須アミノ酸のひとつですが体内で作ることのできるアミノ酸。しかし子どもの体内では作ることはできません。成長促進効果やダイエット効果などもあるので、積極的に摂りたい必須アミノ酸です。
青魚に多く含まれるので、積極的に魚を食べてヒスチジンをしっかり摂取しましょう。
また、ヒスチジンは、必須アミノ酸(EAA)に含まれる成分です。
他の必須アミノ酸については、以下の記事を参考にしてください。
EAAとは?筋トレやダイエットへの効果や、飲むタイミングなどをまとめて解説
アミノ酸全体についてはこちら
アミノ酸とは?タンパク質との違いや種類・効果を簡単に解説
参考文献
山下 敦生 他、ヒスチジン・ヒスタミンによる抗炎症作用と脊髄保護効果に関する研究、KAKEN、2007
上野 光一、ヒスタミン受容体の皮膚及び骨組織における発現と機能、薬学雑誌(YAKUGAKU ZASSHI)134巻11号 p.1093-1108、2014
谷内 一彦、薬理作用から見た理想的な抗ヒスタミン薬治療、日本耳鼻咽喉科学会会報 123巻 3号 p.196-204、2020
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