アミノ酸・タンパク質 基礎知識
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タンパク質不足が引き起こす症状とは?|「疾患・症状」解説まとめ
2021年8月18日 - 更新日: 2021年11月18日
タンパク質は、体を構成する様々な細胞の主原料になる大事な栄養素です。
近年タンパク質の重要性が注目され、厚生労働省が提示するタンパク質の摂取量も改訂版では増量されています。
ではタンパク質が不足してしまうとどうなるのか、どんな症状が現れるのか、不足しない対策も含めてご紹介していきます。
タンパク質が不足した場合の症状は?
筋肉を作るために必要な栄養素として知られているタンパク質ですが、筋肉以外にも臓器、皮膚、骨や歯、毛髪や爪など体のあらゆる材料となります。
そんなタンパク質が不足してしまうとどんな症状が現れるのか解説していきます。
貧血・免疫力の低下
タンパク質はウイルスや病原体を排除する免疫細胞や抗体の材料となり、タンパク質が不足すれば免疫力が低下し、病気や感染症の頻度と重症度が高まります。
ストレスに対抗するためにもタンパク質を消耗するため、タンパク質はストレス社会の現代に重要な栄養素といえます。
また、血液中に含まれているヘモグロビンは、鉄分とタンパク質で構成されているため、タンパク質が不足すると貧血に繋がる可能性があります。
さらに、貧血になると脳に酸素が送れなくなったり、体の隅々まで栄養を運べなくなるため、様々な疾患リスクを高めます。
動脈硬化や血管障害
タンパク質を十分摂取すると血管を弾力性のあるものにし、血管に関連する疾患の動脈硬化や脳卒中、脳動脈瘤などの血管障害を防ぎます。
脳卒中は日本人の3大死因の一つであり、脳の血管障害になると命を失うリスクがあるだけではなく、助かっても半身麻痺や言葉が喋れなくなるなどの障害を残す可能性があります。
タンパク質の不足と血管やそれに関連する疾患の関係も明らかにされているので、しっかりタンパク質を摂取すれば発症リスクが抑えられます。
筋肉量の低下
1食でも一定量のタンパク質摂取量を確保できない場合、筋肉量低下のリスクに繋がることが明らかになっています。
このことから、1日に必要なタンパク質摂取量の確保だけでなく、毎食の食事でのタンパク質摂取量も筋肉量の維持や増加に重要といえます。
筋肉量の低下や身体能力の低下で診断されるサルコペニアや、その状態から進行すると体が脆弱になった状態となり、フレイルティと呼ばれる健康障害に陥りやすく、食事量が減ってしまう70歳以上の健康問題になっています。
精神疾患・認知機能の低下
自分の体内で作ることができず、食事から摂取しなくてはならない9種類のアミノ酸を、必須アミノ酸と呼びます。
このうち記憶、感情、気分などに関係する神経伝達物質は、必須アミノ酸から作られるので、アミノ酸の元になるタンパク質を食事から摂取する必要があります。
タンパク質の不足によって神経伝達が上手く働かなくなると、情緒不安定やうつ病などの精神疾患、物忘れなどの認知機能低下に関係するという報告があります。
タンパク質が不足すると太る?
タンパク質は筋肉を構成するため、タンパク質が不足すれば筋肉量が低下します。
特にダイエットなどで食事制限をするとエネルギーが不足してしまい、体が筋肉を破壊してエネルギー源にしようと働きます。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ち、結果的に太りやすい体になってしまいます。
タンパク質が不足しないために
1930年代にドイツ人のシェーンハイマーらの実験によって、食べたタンパク質と人体のタンパク質が絶えず入れ替わっていることが明らかとなりました。
細胞によって速さは異なりますが、肝臓は約2週間、赤血球は120日、筋肉は約180日でその半分が入れかわり、毎日十分な量のタンパク質を食べなければならない理由の1つです。
タンパク質が不足しないように自分が必要なタンパク質量を把握し、朝昼晩の食事でこまめにタンパク質を摂取することが重要です。
食事で高タンパク質食品を増やすのが難しい場合、タンパク質を構成するアミノ酸をサプリメントで補給するのも効果があるという報告もあるため、上手に活用するのもおすすめです。
参考文献
公益財団法人日本食肉消費総合センター:「タンパク質に関するQ&A」
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