ランニング・マラソン
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【コース詳説】激坂だらけ!?日本有数のアップダウンがある「奈良マラソン」を楽しめ。
2023年12月1日 - 更新日: 2024年8月4日
日本有数の”アップダウンが大きな大会”といえば「奈良マラソン」です。
初心者が何も知らずにエントリーすると、きっと痛い目を見るでしょう。
しかし、平城宮・興福寺・東大寺・春日大社(奈良公園)・天理の街並みといった奈良を代表する観光名所を走ることができ、厳しいコースを補って余りあるほどに、「特別感」があるのも事実です。
観光好きには堪らないコースでしょう。
本記事では、コースの紹介を中心に書きました。どんなコースなのかを事前に知り、気持ちの準備をすることはとても大事です。
是非本記事を読んで、コースのイメージを膨らませてください。
大会概要
まずは、奈良マラソンの「大会概要」をお伝えします。
大会名 | 奈良マラソン2023 |
例年の開催日 | 12月の第2日曜日(2023年は12/10日曜日開催) |
レーススタート | 9:00スタート |
主催 | 奈良マラソン実行委員会 |
主会場 | ロート奈良鴻ノ池パーク(奈良市鴻ノ池運動公園) |
主な協賛企業 | 奈良県オールトヨタ、奈良トヨタ、奈良トヨペット×ネットトヨタ奈良、トヨタレンタリース奈良、第一生命 等 |
種目 | ①フルマラソン(42.195km) ②10km(世界遺産10K via 奈良公園) ③ミニ奈良マラソン(1.8km×2周) |
定員 | ①フルマラソン:12,000人(一般枠10,000人、奈良県民枠2,000人) ②10km:4,000人 ③ミニ奈良マラソン:一般の部1,500人、ペアの部100組200人 |
制限時間 | ①フルマラソン:6時間 ②10km:90分 ③ミニ奈良マラソン:60分 |
参加費 | ①フルマラソン:(参加賞あり)12,500円、(参加賞なし)12,000円 ②10km: ・H17年4.2〜H20年4.1生:(参加賞あり)3,500円、(参加賞なし)3,000円 ・H17年4.1以前生:(参加賞あり)5,500円、(参加賞なし)5,000円 ③ミニ奈良マラソン:一般の部 2,000円、ペアの部 3,500円/組 |
コース | ▼マラソン(42.195km) ロートフィールド奈良(奈良市鴻ノ池陸上競技場)スタート&フィニッシュ~天理市内折り返しコース <日本陸上競技連盟・ワールドアスレティックス公認> ▼世界遺産10K(約10km) ロートフィールド奈良(奈良市鴻ノ池陸上競技場)スタート&フィニッシュ~奈良市内折り返しコース ▼ミニ奈良マラソン(1.8km×2周) ロート奈良鴻ノ池パーク(奈良市鴻ノ池運動公園)内特設コース |
関門数 | 9箇所(5.4km地点以降、39.6km地点までに9箇所の関門) |
公式サイト | https://www.nara-marathon.jp/ |
大会SNS | FB:https://www.facebook.com/naramarathon.jp IG:https://www.instagram.com/naramarathon_official/ オフィシャルブログ:https://blog.nara-marathon.jp/ |
大会事務局 | 奈良マラソン実行委員会事務局 〒630-8113 奈良県奈良市法蓮町757 奈良県奈良総合庁舎 TEL:0742-81-8752 FAX:0742-81-8756 |
開催日程は、例年12月の第2日曜日。
フルマラソンカテゴリーのみで「約12,000人」のランナーが走りますので、スタートブロックによってはスタートゲートをくぐるまでに10分以上は掛かりますが、そんなことも含めて、大規模大会の雰囲気を存分に味わってください。
尚、当日の天候次第で体感は変わると思いますが、さすがに冬のレースになりますので、スタート前の防寒対策は必須です。
コース概要
奈良マラソンは陸連の公認レースですが、タイムを狙うには正直向いていません。アップダウンが激しく、いわゆる「激坂」も待ち受けています。
しかも、制限時間も「6時間」と厳しめなので、初マラソンを奈良マラソンに選ぶのは正直あまりおすすめできません…。
しかし、「登り」があるということは「下り」もあります。アップダウンに負けない「強い脚」を作っておけば、逆にメリハリのあるレースが楽しめるかもしれませんね。
コース図と高低図
早速、「コース図」と「高低図」をみてみましょう。
ざっくりコースを説明すると、
- 奈良の中心街を走り、
- 奈良公園を抜けて南下し、
- 天理に向かう峠(つまり「坂」)を超え、
- 天理の街並みを堪能して、
- 再度峠を超えて奈良市街に戻ってくる、
という感じです。
さらに詳細は後述します。
次に「高低図」のみを切り出してみます。
一瞬クロスカントリーのコースかと思ってしまいますね。
これはやはり「アップダウンのあるコース」と言わざるを得ないでしょう。レース序盤の奈良中心街ですら、平坦ではなくアップダウンがあります。
上記高低図の通り、”激坂”は1度ではなく何度か(何度も!?)あるので、チャレンジする人はしっかり心構えをして臨みましょう。
2023公式チラシ(以下のキャプチャ)にも「公認レース屈指の激坂(ゲキザカ)も楽しんで!」としっかり明記されています。兎にも角にも、”坂推し”の大会が「奈良マラソン」です。
公式サイトに掲載されている2023のコース図(Googleマップ版)もこちらに貼っておきます。参考にしてください。
コース詳細(各区間の高低図を抜粋)
コース図と高低図で、奈良マラソンのコースの全体像を押さえたところで、今度は序盤、中盤、終盤と区間ごとに区切って、もう少し詳細に迫っていきましょう。
イメージしやすいように各区間の高低図を切り取って、貼付します。
序盤(スタート〜10km)
序盤は奈良市内からスタートです。
スタート&フィニッシュ地点であるロートフィールド奈良をスタートして、1.5kmほどで、まずは奈良市の中心部に入ります。
ここは往復区間でもあり、応援も賑やかです。第一の観光スポット「平城宮」を横目に見ながら、テンションも上がり、ペースも一緒に上がってしまいそうですが、このあとにたくさんの坂が待ち受けているので「ペースは抑え気味で」を念頭に。
この段階でもすでに軽いアップダウンが始まりますが、これは、中盤以降に待ち受ける激坂への「慣らし運転」です。
8〜9km地点あたりで奈良公園内に入ります。
奈良公園には鹿がたむろしていて、ランナーを応援(?)してくれます。昨年(2022年)のレースでは、この鹿たちがコースを横断してきたそうな。
奈良公園の鹿は人間に慣れているとはいえ、まさかマラソンレース中に鹿を避けながら走るなんて、これこそ奈良マラソンでしか体験できないことですね。
もしあなたが奈良公園内を通過するタイミングで鹿が横断してきたら、逆に「貴重な経験」だと思って喜んでおきましょう。
尚、奈良公園内を含む、8〜10kmは登り区間になります。
中盤①(10〜20km)
奈良市内を抜けて天理市へ向かう道になると一気に景色が変わってきて、周囲はのどかな田んぼになり、家や人も少なくなってきます。
この区間の後半部分(15〜18km過ぎ)はほぼ登り区間になりますが、いよいよ奈良市と天理市の間にある「峠越え」の始まりです。「第一の激坂」が待ち受ける区間です。
フルマラソンに向けたトレーニングで「峠走」などを取り入れている人は、ここぞとばかりにトレーニングの成果を発揮してください。(ただ、調子には乗りすぎないようにしてくださいね)。
18km過ぎで3kmほど続いた峠の激坂を登り切ると、天理市内に入ります。
天理大学の野球グラウンドや、天理教の保有する白川グラウンド、その奥にある白川ダム貯水池を右手にみながら、ここは登ってきた分を一気にくだる区間です。
下りながら一旦全身の力みを抜いて、リフレッシュしましょう。
中盤②(20〜32km)
全体としては、天理市を巡る区間になります。
中間地点前後は激下りになりますが、ここは復路でも通ります。つまり、帰りは激坂です。
復路のことは一旦忘れて、天理教の教会や教会本部など、天理独特の街並みを楽しみながら走りましょう。観光好きには堪らない区間です。
25〜26kmの間で天理大学の構内に入ります。
大学の構内にてUターンをしますが、このUターン地点が、奈良マラソンのコースの最南部地点になります。ですので、この後は再び北上して、奈良市街を目指して戻っていくことになります。
先ほども書きましたが、奈良市に戻るということは、再び峠を越えていく、ということ。往路で下ってきた”激坂”を今度は登らなければいけません。
28km過ぎから坂が始まりますが、この坂の序盤が一番勾配のきつい「急坂」になります。中盤以降のランナーは歩いてしまう人も多数いる区間です。
往路でもみた「白川ダム貯水池」が見えてきたら、そこがだいたい30km地点になりますが、まだ坂は終わっていません。32km手前まで続きます。
体力も脚もかなり消耗すると思いますが、頑張りどころです。
終盤(32km〜フィニッシュ)
32kmを超えるとようやく下りです。下りとはいっても、途中途中”登り返し”があるので気は抜けません。
尚、復路は往路とは違うコース取りになっていて、33km地点からは街側の広い自動車道ではなく、山側の狭い生活道路のような方に突入します。
つまり、山側ということは、整備された自動車道に比べ「アップダウンがある」ということです。体感的にも復路のアップダウンの方がきつく感じるかもしれません。
38km地点で再度往路で通ってきたコースと合流し、そこからは残り4km。ラストスパートです。
奈良の市街地に戻ると、朝はほとんどいなかった観光客や修学旅行生がたくさんいるはずです。観光客側も、たくさんのランナーが奈良市内を走っている状況にテンションが上がり、たくさん応援してくれるはず。
そして、応援してくれる人が増えると、急に元気になれるものです。フィニッシュラインに向けて、最後の力を振り絞りましょう。
奈良マラソンの「難易度」
こんな「坂祭り」である奈良マラソンの「難易度」はどの程度でしょうか。ここでは直近5大会の「完走率」と「天候」をみてみたいと思います。
【完走率】完走率は9割前後。制限時間は6時間。
直近5大会の完走率(※2020はコロナで中止)」は以下のとおりです。
開催年 | 出走者 | 完走者 | 完走率 |
2022 | 9,173 | 8,538 | 93.1% |
2021 | 7,435 | 6,789 | 91.3% |
2019 | 11,977 | 11,137 | 93.0% |
2018 | 11,906 | 11,106 | 93.3% |
2017 | 11,964 | 11,032 | 92.2% |
坂もたくさんあり、制限時間も6時間と短いのですが、意外や意外、完走率は「90%」をいずれの年も超えています。
登りがあるということは下りもあるということなので、レース全体としては案外うまくバランスが取れているのかもしれません。
ただし、完走はできても「タイムを狙う」にはやはり条件は悪いと言わざるを得ません。逆に、このコースで目標達成やPB更新ができたら、それはあなたの努力の成果です。
【天候】最高気温は10度前後。スタート前の防寒対策をしっかりしよう。
次に大会当日の気象条件ですが、こちらも直近5大会の「天候」「最低気温」「最高気温」を遡ってまとめてみました。
開催年 | 天候 | 最低気温 | 最高気温 |
2022 | 曇り | 6.4℃ | 15.7℃ |
2021 | 晴れのち曇り | 6.6℃ | 16.5℃ |
2019 | 曇り | 2.6℃ | 12.2℃ |
2018 | 曇り | 2.4℃ | 11.9℃ |
2017 | 曇り | 2.5℃ | 8.0℃ |
レースが始まってしまえば「マラソンに適した気候」といえますが、朝の気温は低いので、スタートまでに体が冷えて固まらないように、防寒対策はしっかり準備しておいたほうが良いでしょう。
防寒グッズは、「カッパ」や「ビニール袋」「アームカバー」など、気温により簡単に着脱ができて体温調整がしやすいグッズを準備しておくことをおすすめします。
奈良マラソンTips
ここでは奈良マラソンをより楽しむためのTipsとして、「芸能人(ゲストランナー)」を紹介します。
奈良マラソンでやってくる芸能人(ゲストランナー)
大規模マラソンの一つの楽しみといえば「ゲストランナー」ではないでしょうか?奈良マラソンでも以下の芸能人がゲストランナーとして(ゲストとして)、大会を盛り上げてくれます。
有森裕子(コロナ禍の規模縮小の大会も含め毎年)
いろいろなマラソン大会でゲスト招待されていますが、奈良マラソンはほぼ毎年スペシャルゲストとして招かれています。
有森さんの元気で喝の入った応援スタイルはもはや名物。有森さんに会えたら元気になること間違いなしです。
《プロフィール》
1966年 岡山県生まれ。
日本体育大学を卒業して(株)リクルート入社、1992年バルセロナ、1996年アトランタの五輪メダリスト。
2007年に競技を引退し、現在は、ワールドアスレティックス(世界陸連)理事、ハート・オブ・ゴールド代表理事、日本陸上競技連盟理事など、あらゆるフィールドで活躍。(出典:公式サイト)
瀬古利彦(2023・初)
ランスマのメインパーソナリティーやマラソンや駅伝の解説を務める誰もが知る瀬古利彦さん。2023年、初めてのゲスト招待として奈良に来られます。
《プロフィール》
1956年、三重県生まれ。
・(公財)日本陸上競技連盟・ロードランニングコミッションリーダー
・DeNAアスレティックスエリートアドバイザー(出典:公式サイト)
団長安田(コロナ禍を除きほぼ毎年)
コロナ禍を除いて、ほぼ毎回ゲストランナーとして参加されています。主に10km
の種目に参加し、スタートダッシュをかますのがどうやら名物となっている模様!?
《プロフィール》
1974年4月26日生まれ、2001年に安田大サーカスを結成
趣味:自転車(出典:公式サイト)
松井絵里奈(コロナ禍を除きほぼ毎年)
奈良出身のタレントで「奈良マラソン親善大使」を務める松井絵里奈さん。遠巻きにみても芸能人のオーラが漂う美しい容姿をお持ちです。10kmカテゴリーを一緒に走ることも多いようです。こんな美女に応援されたらアップダウンも頑張れてしまいますね!
《プロフィール》
1987年7月4日生まれ、奈良県橿原市出身
十津川郷観光大使、橿原市応援大使
飛鳥FC応援大使(出典:公式サイト)
加藤雅也(2019)
奈良出身の男前タレント、加藤雅也さん。高校時代は陸上部で、グラウンドで毎日汗を流していたスポーツマン。こんなイケメンに応援されたら辛い登り坂も頑張れてしまいますね!
《プロフィール》
1963年4月27日 奈良県生まれ
今年、奈良市観光特別大使に就任 奈良高校では陸上部に所属(出典:公式サイト)
【まとめ】観光とセットで遠征マラソンを楽しもう
本記事でも度々書いてきましたが、奈良マラソンの特徴は「激しいアップダウン」です。ランニング初心者は思わず歩いてしまうほどの「激坂」があなたを待ち受けています。
奈良マラソンへの参戦を決めたら、是非トレーニングメニューに「坂トレ」を取り入れ、走りごたえのある「山越えゾーン」攻略を楽しんでください。
そして、奈良マラソンの魅力は、なんといっても、平城宮跡をはじめとする奈良が世界に誇る数々の史跡を取り入れたコースであることです。奈良観光のまさに”中心”を駆け抜けることができます。
国の天然記念物にも指定されている「奈良のシカ」たちの応援(?)も待っていることでしょう。
マラソンの醍醐味が詰まった「古都奈良」の舞台を存分に楽しみましょう!
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