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マラソンとスピードトレーニング

2023年2月25日 - 更新日: 2023年3月1日

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西村 殊寛 / YOSHIHIRO NISHIMURA

2008年に神戸大学医学部医学科を卒業。同年、医師免許を取得。2009年より始めたマラソンを医学および統計学より科学的に考察し、独自の理論をもとにSAURUSアドバイザーとして参画。フルマラソンの自己ベストは2時間46分03秒。ハーフ1時間16分50秒。

スピードトレーニングは心肺強化、筋力強化、メンタルトレーニングに役立つなど、ランニングパフォーマンスに役立つ様々なメリットがあります
効果的に練習に取り入れることでフルマラソンを完走する、または目標タイムをクリアすることにつながります。本記事ではスピードトレーニングの必要性から、メリット、具体的な練習メニューまで解説します。

 

マラソンにスピード(トレーニング)は必要なのか?

結論から言ってしまうと、マラソンを完走するだけなら、スピード(トレーニング)が必須というわけではありません。しかし、全体的なランニングパフォーマンスを向上させ、より速いタイムを目指すためには非常に有益であるものであることに間違いはありませんし、目標によっては逆に必須になることもあります。

目指すタイムによって必要性は異なる

目標レベルによってはスピードが必須で、スピード練習を取り入れるべきであることもあります。例えばサブ3を目指すなら1mあたり平均4分15秒で走り続ける必要があります。しかし、サブ5を目指すなら1kmあたり平均7分5秒です。平均ペースだけ見てみると、サブ3を目指す人はより速く走り続ける必要があり、スピードトレーニングの必要性が感じられますね。

サブ3.5以上を目指すなら必須

サブ3.5以上からは1kmあたり平均4分58秒以上で走り続けることが必要です。1kmあたり5分を切らなければいけない目標レベルからは、フルマラソンにおいてもスピードが必須になってくると言えるでしょう。もしサブ3.5以上を目指すのなら、スピードトレーニングを取り入れることが、目標達成の近道となるはずです。

マラソン初心者にもスピードトレーニングは必要?

では初心者だから、目標タイムがサブ4以降だから、スピード練習は必要ない?というわけではありません。もちろん、すごく速い(運動強度の高い)スピードトレーニングを取り入れる必要はないかもしれませんが、そもそもスピードトレーニングにはたくさんのメリットがあります。メリットや効果を確認し、自身のレベルに合わせたスピードトレーニングを取り入れることで、飛躍的なレベルアップにつながるかもしれません

スピードトレーニングを取り入れるメリット

スピードトレーニングはスピードを付けるだけでしょうか。実はスピードによるランニングパフォーマンスの向上だけでなく、メンタルを強くする働きがあるなどたくさんのメリットがあります。

スピードが身に付く

スピードトレーニングの主な目的は「スピードをつける」ことです。例えば、1kmをどれだけ頑張っても5分でしか走れない選手が、10キロを40分で走ろうとしてもそれは無理な話でしょう。最大スピードを高める意義はここにあります。目標タイムがあれば、最低限そこに至るまでのスピードは身に付ける必要があります。逆に、スピードを身に付けることで次の目標への扉が開かれることもあります。

ペース維持が楽になる

スピードトレーニングを行うことで、乳酸性閾値(LT)というものを上げることができます。そもそも、私たちが運動をするためには、体内の糖や脂肪をエネルギーに変える必要があります。しかし、体内の糖が多く消費されると、乳酸が多く作られ、その分疲労を感じます。乳酸性閾値とは、乳酸が蓄積され筋肉に疲労が生じ始める点のことです。この値を上げる(=高強度の運動でも乳酸ができにくい身体になる)ことで、体内の糖を節約しながらも、速いペースで走り続けることが可能となります。
つまり、スピードトレーニングを行い、ある程度のスピードに慣れた身体を作ることで、速いペースの維持が可能となる、ということです。

より高い目標へチャレンジができる

スピードトレーニング自体がチャレンジ性のあるものです。マラソンを走ったことのある人なら、設定した目標タイムをクリアした時に大きな達成感や喜びを感じた、ということがあるのではないでしょうか。スピードトレーニングにも同じことが起こります。
「1kmを〇分で△本走る」「1kmを〇分以内で走る」といった目標をトレーニングでクリアすることで、自信が付き、成功体験からメンタルが鍛えられます。もちろん、失敗することもあるかもしれませんが、フルマラソンと違い再チャレンジも簡単です。そうして少しずつ自信を付け、走る楽しみを見つけることができます。
さらに、練習を積んでスピードを身に付けると、上述のようにランニングパフォーマンスも上昇するので、より高い目標に挑戦することもできるでしょう。それもまたスピードトレーニングの持つチャレンジ性です。

スピードを身に付けるためにしておきたいこと

スピードトレーニングは通常のランニングよりも高負荷の運動です。スピードを身に付けるためにできること、トレーニングに入る前にしておきたいことをまとめました。

基礎筋力をつけよう

スピードトレーニングには基礎的な筋力は必要不可欠です。体幹周りはもちろん、お尻回りの筋肉、太もも、ハムストリングス、さらには上半身など、スピードトレーニングは全身に負荷がかかります。特に通常のランニングよりも、ストライドが伸び、脚を大きく前に出す必要があるため、お尻と太ももの筋肉を意識することが必要です。スクワットやカーフレイズなどで、この辺りの筋肉を鍛える運動はおすすめです。

柔軟性を高めよう

前述のように、通常のランニングとスピードを付けた走り方では脚の出し方が違います。また、スムーズな脚運びを行う必要もあります。脚の柔軟性が高いほどに、脚運びがスムーズになるのは言うまでもありません。ここで意識したいのは股関節周りと肩甲骨周りの柔軟性</b。1歩を遠くに出す(=ストライドを広げる)ためには、股関節が柔らかい必要がありますし、肩甲骨がスムーズに動くと、より自然に歩幅を広げて走ることがしやすくなります。逆にこれらが、硬いと余計な力が入ってしまい疲労やケガにつながる可能性があります。柔軟性は高めておいて損はありません。

走り方(フォーム)を見直そう

スピードトレーニングを行うことでフォーム改善が期待されます。ですが、トレーニングを行う前から走り方について見直しておきたいところです。一番意識しやすく、矯正することでパフォーマンス向上を見込みやすいポイントは腰です。腰が高い位置にあると、脚を上げ下ろしするスペースが広くなると同時に、脚を振り下ろす時に自然と膝が伸びる形になります。そうすると、足裏で地面を捉えたときに効率よく地面からの反発を利用することができ、結果として推進力が得られます。スピードトレーニング中でも、この部分を意識するだけで楽に走ることができるかもしれません。

フルマラソン向けスピード練習のメニュー

実際にスピードトレーニングを日々の練習に取り入れてみましょう。ここでは取り入れる際の注意点と具体的な練習方法についてまとめています。

スピードトレーニング=高負荷トレーニングと意識しておく

スピードトレーニングは、通常のランニングとくらべ高負荷トレーニングであるものばかりです。高負荷であるからこそ、頻度やケアなどのリカバリーが重要であることについて意識しておきましょう。部活動やプロ選手のトレーニングにおいても、毎回スピード練習を行うことはありません。まずは週に1回程度から、徐々に負荷をかけていくことを意識します。そして練習後には必ず、ストレッチを入念に行い、身体のケアに努めましょう。

1000mを基本単位として行う

フルマラソンに限らず、レースを意識した練習では自ずとペースを設定することになります。
その際、100m単位で〇秒、といった設定よりも、1000m(以上)でペース設定をすることを心掛けましょう。フルマラソンでは自身の目標に対して、1000m(1km)をどのくらいのペースで走ればいいのかは調べたり計算したりすればすぐに分かると思います。逆にスピードトレーニングで1kmあたりのペース感覚を身に付けることで、日々のランニングのペース意識にも良い影響を与えることもあります。

【メニュー1】インターバル走

インターバル走とは、比較的短い距離を速いペースで走り、ゆっくりとしたジョグで休憩した後、また速いペースで走り、ジョグで休憩する、といった繰り返しで行うトレーニング方法です。ここでは目標となるレースペースよりも速いペースでインターバル走を行います

 

■1km(速いペース)+400m(ジョグ・リカバリー)を1セットとして5~6本

■1km(速いペース)+1~2分(ジョグで走り続ける)を1セットとして5~6本

 

速さはレースペースよりも20~30秒速いペースを心掛けてみましょう。この練習のポイントは、動き続けること、速いペースと遅いペースを組み合わせることです。そして、とてもキツいトレーニングでもあります。

実際にインターバルトレーニングを行っている様子も参考にご覧ください。

【メニュー2】設定タイムを上げたペース走

普段のランニングで1kmあたりのペースを設定していますか?スピードトレーニングの一環として、普段よりもペースアップした設定で一定の距離を走ることもスピードトレーニングにつながります。距離を普段のランニングの8割程度に留める代わりにレースペースと同等、または1kmあたり10~20秒程度早めてみましょう。もし意外とペースが維持できるようでしたらもう少しペースを早め、負荷を変えてもいいかもしれません。
■普段10㎞を5分/1kmで走っているなら→8kmを4分40秒~4分50秒で走り続けてみる

 

ポイントは走り方(フォーム)がいつものランニングと異なっていると自分で意識できていることです。

【メニュー3】坂道でのトレーニング(ヒルトレーニング)

坂道を駆け上る練習方法です。急な坂でなくてもよいので、ある程度時間をかけて(数分かかるくらい)の坂があれば理想的です。坂道の長さにもよるため、1kmあたりのペースを設定することは難しいですが、基本的なトレーニング方法は以下の通りです。

 

■登り坂を8割くらいのスピードで登る+ジョギングでゆっくり下る(リカバリー)×数本

 

坂道を使ってのインターバルトレーニングとも言えますが、上に掲げたインターバルトレーニングに比べると心肺機能よりも足腰の筋力強化が期待できるトレーニング方法です。ポイントは、しっかりと膝を上げること、また傾斜が急すぎると、前かがみになりがちなので、胸を高く、腰を高くして走ることです。

他にもフルマラソンに有効なトレーニング

もちろん、フルマラソンにはスピードトレーニング以外にも有効なトレーニングはたくさんあります。以下に掲げたトレーニングも参考にしてみてください。

目的別ペース走

目的別ペース走は、タイムと距離、どちらか1つに練習の目的を置いたペース走です。タイム重視の場合はタイムはレースペース近くに設定しますが、距離は短くします。また、目標タイムに応じてこのような練習も参考にできますね。

LSD

Long Slow Distanceの頭文字を取った略称で「ゆっくり」「長く」「長距離」を踏む練習のことを指します。特に、マラソン・陸上長距離走の走力アップに効果的で、ベテランランナーだけではなく、ランニングを始めたての初心者の方にもおすすめの練習方法です。詳しくはこちらをどうぞ。

https://saurusjapan.com/knowledge/2023/01/29/lsd/

 

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