ランニング・マラソン
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LSDを意識したマラソントレーニング
2023年1月29日 - 更新日: 2023年2月16日
LSD(ロングスローディスタンス)とは?
LSDとはLong Slow Distanceの頭文字を取った略称で「ゆっくり」「長く」「長距離」を踏む練習のことを指します。
LSDトレーニングは、マラソン・陸上長距離走の走力アップに効果的です。
ベテランランナーのタイム向上だけではなく、ランニングを始めたての初心者の方もこのLSD(ロングスローディスタンス)を取り入れることで、脚力を鍛え、長い距離を走るための基礎的な力を身に付けることができます。
その他にも、LSDトレーニングにはたくさんのメリットがあります。
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LSDの目的
LSDトレーニングの目的は持久力の向上にあります。LSDでは長時間の有酸素運動を行い、体の中にある毛細血管を刺激します。
毛細血管がトレーニングにより刺激され、拡張することで、より効率的に酸素やエネルギーを送り込むことができるようになります。
その結果、持久力の向上につながると考えられています。
LSDと通常のランニングとの違い
通常のランニングだと「○kmを気持ちよく走る」「ペースを決めて走る」といった目的を持ったり、また「目的を決めずに身体が動くままに走る」というようなことをしがちではありませんか。
結果、トレーニング終盤になると、身体が動くままにペースアップをし、身体を疲れさせて満足、という練習も多いかと思われます。
しかし、ペースが上がってしまうことで、LSDの一番の目的とする「毛細血管の拡張」が効率的に行われません。
さらに、LSDは「ゆっくりと走る」という性質上、ある程度のペースを保ったランニングとは足の運び方が異なります。
一歩一歩の設置時間が長くなり。脚を振り上げずに走るため、使う筋肉が通常のランニングとは異なるのです。
LSDをトレーニングに取り入れるメリット
フルマラソンのように長い距離、長い時間を走り続けるスポーツの場合、走るための身体の基礎、土台作りが重要です。
基礎的な体力が付いていなければ、長距離も長時間も走り続けることは難しいでしょう。
ここではLSDをトレーニングに取り入れるメリットについてお話します。
基礎体力の向上
先に述べたように、LSDは低負荷の有酸素運動です。
有酸素運動では肺から取り込まれた酸素が、心臓を経て全身を循環します。
有酸素運動ではまず心肺機能の強化が期待されます。
心肺機能が強化されると、おのずと運動の持続時間が伸びる(スタミナがつく)ので、基礎体力が向上することが期待されます。
また、毛細血管の発達により、心肺機能についてはより効果が見込めることとなります。
正しいランニングフォームが体得できる
LSDの性質上、ランニングフォームが異なるということを述べました。また、ゆっくりと行う運動のため、自分の姿勢にも意識を向けやすい時間でもあります。
例えば、胸を張る、目線などを意識するだけで改善できるフォームはたくさんあります。また、脚運びを見つめ直す機会でもあります。全身の力を抜いて、一歩一歩を身体の重心とともに前へ移動させることを心掛けてみましょう。おへその下あたりが前へ引っ張られるイメージで身体を動かすと綺麗なランニングフォームとなります。
疲労回復が期待できる
LSDに限らず、ごく軽い有酸素運動は、疲労回復の効果が大きくなると言われています。
有酸素運動を行うことにより、血液循環が良くなり、疲労の原因となる疲労物質が筋肉内や肝臓でより効果的に処理されるようになります。
また、疲労物質の原因である乳酸も、軽い運動ではあまり発生しません。
そのために、LSDは疲労抜きの位置付けて取り入れられることも多いです。
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運動習慣をつける
LSDは、比較的低負荷なトレーニングのため、これからランニングを始めようといった人や、久しぶりに身体を動かそうといった人にも取り組みやすいトレーニングです。
また、低負荷でありながらも、有酸素運動で、足腰を中心とした筋肉群に長時間働きかける運動でもあります。
運動初心者の方は、まずは週に1回を計8回続けてみましょう、約2ヶ月続けたこととなります。そうすると1回目と8回目では身体が大きく変わったことが実感できるでしょう。さらに、その実感が湧いてくる頃には、今までに週1回の運動ができていたという実績がもれなくついてきます、身体の変化を感じることには立派な運動習慣ができていた、という状況が起こるので、なんだか得した気分になれますね。
目標タイム別のLSDペース
LSDを目的とした練習においては、どのくらいのペースで走るのが望ましいのでしょうか。一般的にLSDは1キロ当たり7~8分で走るのがよいと言われますが、本来練習の設定ペースは個人の能力や目標とするタイムによって変わるものです。
五輪マラソンランナーを排出した佐々木功監督の「ゆっくり走れば早くなる」という本によれば、目安として「全力の40%~60%」「脈拍でいうと130以下のところでやるのはLSDといえる」とのことでした。
最近では光学式のGPSウォッチなどで脈拍を測ることができるので、どのくらいで走ればLSDに適したペースなのかを自分で判断することもできます。
ここではそれぞれ目標とするタイム別に、LSDの設定におけるペースについて考えます。
サブ5を目指す
サブ5を達成するには、平均7分6秒/kmで走る必要があります。
しかし、一般的なLSDペース(7~8分)と照らし合わせると、LSDペース≒レースペースとなってしまいます。
1kmあたり7~8分のペースで走ってしまうと、LSDをしているのか、レースペースでのランニングトレーニングをしているのか、よくわからない状態となってしまいます。
しかし、そもそもこの目標帯の人は、まず1kmあたり9分~10分で最低90分は走り続けられるか、ということを試すのが良いと思われます。そうして練習に自信が付いてきた頃から徐々にペースを上げてみましょう。
1kmあたり8分くらいでも十分に長時間、長距離を走れるというのなら、少し設定ペースを早くしてもよいかもしれません。
サブ4.5を目指す
サブ4.5を達成するには、平均6分24秒/kmで走る必要があります。
LSDとしては1キロあたり7分30秒~8分30秒を目安に距離を踏むのが良いでしょう。1キロあたり7分までペースを上げてしまうと、運動強度が高すぎてしまいます。
まずは8分30秒を上回らないよう、フォームや脚運びに気を付けてましょう。
サブ4を目指す
サブ4を達成するには、平均5分41秒/kmで走る必要があります。
この辺りのレベルから、1kmあたり7~8分のペースが妥当なものとなるではないでしょうか。しかし、サブ〇を目指すということは、最低でもその〇に入る時間は走り続けるということです。これはどのレベル帯にも言えることですが、LSDトレーニングにおいては、距離よりも時間を意識して練習に取り組みましょう。
また、能力アップのためだけでなく、疲労の軽減という目的でLSDを練習に取り入れても良いと思われます。
サブ3.5を目指す
サブ3を達成するには、平均4分58秒/kmで走る必要があります。
このレベル帯にはランニング初心者はほぼおらず、能力的にも中級者や上級者が大きな割合を占めています。それに伴ってLSDのペースも上がるのでは、と感じるところですが、LSDとしてトレーニングをするのなら、やはり1kmあたり7~8分くらいのペースで練習を進めるのが良いでしょう。
加えて、ジョグやペース走といった練習が特に重要になってくるのが、このレベル帯です。そうすると、おのずとLSDトレーニングを取り入れる目的も、能力アップより疲労回復の意味合いが強くなると思われます。そのためLSDでは無理にペースを早めず、ゆったりとしたペースを維持できるように心掛けましょう。
サブ3を目指す
サブ3を達成するには、平均4分15秒/kmで走る必要があります。
このレベルを目指す人たちは、1キロを3分ほどで走れるくらいのスピードを持っている方も多いのではないでしょうか。
また、このレベルを目標とするために、心肺機能を高めスピードを身に付けるための高強度な練習を取り入れているはずです。
そのため、あえてLSDを取り入れるとしたら、1kmあたり7分前後くらいのペースで、能力向上よりも疲労回復を目的に行うのが良いでしょう。
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LSDを取り入れたトレーニング法
LSDを練習に取り入れるために、どんなことに気を付け、どのくらいの頻度でトレーニングを行うべきか、まとめました。
LSDの鉄則はスローペースを長時間
LSDはペース走ではありません。スローペースで走り続けることにより、体中の毛細血管を発達させ、酸素が循環されやすい身体づくりを行うことを目的としたトレーニングです。
そのため、ペースが速すぎたり、トレーニング時間が短すぎると、毛細血管を刺激することができないため、かならず「スローペース」で「長時間」を意識しましょう。
LSDトレーニングを行う上での走り方についてのポイントは以下の動画で具体的に紹介されています。
LSDを取り入れる頻度
ランニングができる身体の土台作りを目標にする場合、基本的には週1回程度取り入れてみましょう。
特にランニング初心者は、LSDトレーニングを行うことで普段使わない筋肉や心肺機能に疲労を感じます。初心者こそ、運動習慣を付けるといった意味でも、効果を感じるまでは焦らずに少なめの頻度から始めても良いと思われます。
ランニング中級者や上級者はLSDを疲労回復に位置付けることがあるかと思われます。こちらも週1回程度、スピード系の高負荷トレーニングを入れた後にLSDを取り入れるとうまく疲労感が抜けてくれることでしょう。
LSDだけじゃない、フルマラソンのタイムアップのために
フルマラソンのタイムアップを狙うなら。LSDトレーニング以外にも取り入れたいことがあります。これらも意識して行うと、トレーニング以上の効果が期待できるかもしれませんね。
基礎筋力を向上させる
LSDを行うことで、ふくらはぎ周りを中心に脚腰の筋肉が鍛えられます。しかし、マラソンのタイムアップを狙うのなら、それに加え、インナーマッスルと呼ばれる体幹(骨盤回り)の筋肉も鍛えることをお勧めします。
ランニング初心者にありがちなのが「走ったときに横腹が痛くなる」症状。実は体幹(特に腹斜筋・腹横筋)を鍛えることで改善されることがあるそうです。また腹横筋は横隔膜を支える筋肉であり、横隔膜が安定することで、運動時の呼吸の安定にもつながります。
適切な栄養管理
身体づくりにおいては特に大事にしたいのが、栄養の摂取です。3大栄養素はもちろん、ミネラルとビタミンも身体づくりを助ける重要な栄養素です。そのどれもが不足してしまうと、身体づくりに大きな悪影響を与えます。
特に日本人の食事で不足しやすいのはタンパク質。筋肉をつくる元となり、特にトレーニング後にはタンパク質の摂取が欠かせません。また摂取したタンパク質の代謝を助けるビタミンB6。赤身の肉や魚には両方含まれているものが多いです。積極的に食べるようにし、栄養バランスに気を配った食事を心掛けましょう。
サプリメントに頼ることはもう一般的
今やプロテイン飲料がコンビニでも手に入る時代。栄養に対する知識が普及するとともに、足りない栄養素をサプリメントで補うことはもはや一般的となりました。
そのなかでもランナーに特におすすめなのがアミノ酸です。
筋疲労を伴う運動前後に飲むことで、効果的な身体づくりをサポートします。
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