アミノ酸・タンパク質 基礎知識

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アラニンとは|効果や副作用、アラニンが含まれる食品を解説

2021年9月26日 - 更新日: 2021年9月26日

記事監修
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西村 殊寛 / YOSHIHIRO NISHIMURA

2008年に神戸大学医学部医学科を卒業。同年、医師免許を取得。2009年より始めたマラソンを医学および統計学より科学的に考察し、独自の理論をもとにSAURUSアドバイザーとして参画。フルマラソンの自己ベストは2時間46分03秒。ハーフ1時間16分50秒。

筋肉を作るための原料となるたんぱく質は、20種類のアミノ酸から構成されています。

20種類のアミノ酸は全ての種類が集まることでたんぱく質として合成されますが、それぞれ単体のアミノ酸としても体内で大切な働きを担っています。

20種類のアミノ酸の中でも「アラニン」はエネルギーの生成に関連する重要なアミノ酸です。

ここでは、アラニンに効果や副作用、アラニンが含まれる食品について解説していきます。

アラニンとは

アラニンは、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中でも「非必須アミノ酸」に該当します。

そのため、食品から摂取されるだけではなく、体内でも合成することができます。

アラニンはエネルギーの生成や肝機能保護など体にとって大切な役割を担っているため、医薬品に用いられたりする成分です。

また、アラニンには甘みがあるので食品添加物としても利用されています。

アラニンの効果

運動や筋トレを行う方にとって注目したいアラニンの効果は、「エネルギー生成」です。

アラニンは血液によって肝臓に届けられ、肝臓でグルコースに変換されます。

グルコースは脳や骨格筋など全身で利用されるエネルギー源です。

つまり、アラニンを摂取すれば運動や筋トレを行うために必要となるエネルギーを供給できるようになるため、運動の持続力が高まると考えられます。

また、アラニンにはグルカゴンというホルモンの分泌を促進する働きがあります。

グルカゴンは低血糖時に分泌されるホルモンで、血糖値を維持する働きのある成分であるため、低血糖時の治療薬として使用されています。

激しい運動をすれば低血糖を起こす可能性があるので、アラニンは運動による低血糖予防にも繋がるでしょう。

アラニンの副作用

日常の食生活でアラニンを過剰に摂取しすぎるようなことはほとんどありませんが、過剰摂取すると血中成長ホルモンやグルカゴン、インスリン濃度が上昇することから血糖値が高くなってしまう恐れがあると言えます。

また、7日間アラニンを多く摂取した肥満患者においては吐き気や下痢症状が認められています。

このことから、アラニンは過剰摂取することなく適量を摂取すべきと言えます。

アラニンが含まれる食品

アラニンは、肉類の中でもとくに豚肉に多く含まれています。

また、魚介類にも多く含まれており、かつおやイカ、かずのこなどに含まれています。

その他には、卵や海藻類、豆類などさまざまな食品にアラニンは含まれているため、日常生活でも一定量は摂取することが可能です。

しかし、食事では十分な補充はできないため、サプリメントなどで他の栄養素とのバランスを考えながら補修することをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「対象外物質評価書 アラニン」

JTS「高等動物におけるアミノ酸代謝の全体像」

JTS「骨格筋におけるステロイド作用の解明から生体システムの統合的理解へ」

シリーズアミノ酸NO.1「アミノ酸と栄養 その1」

徳島市医師会「スポーツ広場」

文部科学省「食品成分データベース」

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