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BCAAの摂取による疲労回復効果とは?

2021年6月22日 - 更新日: 2023年2月12日

記事監修
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西村 殊寛 / YOSHIHIRO NISHIMURA

2008年に神戸大学医学部医学科を卒業。同年、医師免許を取得。2009年より始めたマラソンを医学および統計学より科学的に考察し、独自の理論をもとにSAURUSアドバイザーとして参画。フルマラソンの自己ベストは2時間46分03秒。ハーフ1時間16分50秒。

BCAAは筋肉の重要なエネルギー源となる栄養素であり、筋肉中のたんぱく質を構成するアミノ酸の中で35%もの割合を占めています。
そのため、BCAAは運動や筋力アップにおいて必要不可欠であり、アスリートや筋トレをする方々の間で特に注目されています。

BCAAを補充することで、筋肉・筋量アップ、基礎代謝アップ、持久力アップ、エネルギー不足解消、筋肉痛予防、疲労回復促進といった効果が発揮されます。

今回は、BCAAによる疲労回復効果に重点を置き、体内でどのように働くことで疲労回復効果が得られるのかについて詳しくご紹介します。

BCAAが筋肉を疲労回復を促進するメカニズム

BCAAは運動時に筋肉中で分解され、エネルギー源となります。

エネルギー源として消費されるBCAAが不足すると、筋肉を構成するたんぱく質自体がエネルギー源に変換され、筋損傷や筋肉疲労を引き起こします。

そのため、あらかじめ運動前にBCAAを摂取しておくことで、血中及び筋肉中のBCAA濃度が高まり、筋肉中のたんぱく質の分解を抑制することができます。

また、BCAAは筋損傷の指標であるクレアチニンキナーゼ(CPK)という酵素や筋肉疲労物質である乳酸の生成を抑制することも報告されています。

さらに、BCAAは筋肉中のたんぱく質の分解を抑制するのと同時にたんぱく質合成にも関与するので、運動中に壊れた筋組織の再生や筋肉・筋量アップ効果も期待できます。

BCAA摂取による脳疲労回復とは?

血流内のBCAAが脳に送られると、脳が感じる脳疲労(精神疲労)に対して疲労回復の効果もあります。

運動によるエネルギー源消費でBCAAの濃度が低くなると、トリプトファンという必須アミノ酸の濃度が相対的に高まります。

トリプトファンは脳内で神経伝達物質のセロトニンを合成しますが、このセロトニンが疲労や感情に関与する物質であるため、セロトニンが増加すると疲労を感じるようになります。

そのため、あらかじめBCAAを摂取しておけば、セロトニンの増加を抑制し、疲労を軽減することができるのです。

BCAAは筋肉疲労・脳疲労どちらにも有効

これらのメカニズムにより、BCAAは肉体的にも精神的にも疲労を軽減し、持久力を高め、回復を早める効果があると認められています。

必須アミノ酸であるBCAAは、通常のアミノ酸とは異なり、体内で合成することができません。
そのため、食事やサプリメントで十分に補充することがとても重要です。

疲労回復以外にも、ダイエットや筋トレなどの効果についてはこちらの記事を参考にしてください。

BCAAとは?ダイエットや筋トレへの効果や、効果的な飲み方を紹介

参考文献

下村吉治「運動による分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝の促進とBCAA投与効果」体力科学 2007年56巻1号p.52
濱田広一郎「運動時のBCAA補給」体力科学 2007年56巻1号p.55

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