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厚底ランニングシューズのデメリットや初心者向けの選び方を解説

2023年3月27日 - 更新日: 2023年4月10日

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西村 殊寛 / YOSHIHIRO NISHIMURA

2008年に神戸大学医学部医学科を卒業。同年、医師免許を取得。2009年より始めたマラソンを医学および統計学より科学的に考察し、独自の理論をもとにSAURUSアドバイザーとして参画。フルマラソンの自己ベストは2時間46分03秒。ハーフ1時間16分50秒。

近年、厚底のランニングシューズでの好記録が頻発されていることもあり、ランニングシューズにおいては従来の薄型に比べ、厚底タイプのものが主流となりました。本記事では厚底ランニングシューズの特徴からメリット、デメリットを解説し、薄型ランニングシューズとの使い分けについても考えます。

厚底ランニングシューズとは

厚底ランニングシューズとは、単純に言えばソール部分が厚くなっているランニングシューズのことです。以前までは、ランニングシューズは薄くて軽いものがよい、と思われてきましたが、最近ではこの厚底ランニングシューズが主流になりつつあります。

通常の薄底ランニングシューズに比べ高いクッション性が期待されることで、身体や脚にかかる負担が軽減されることが期待されますが、それ以外にもカーボンプレートやヒールカウンターと言った、ランニングを補助するための機能を持つものもあります。

薄底ランニングシューズと厚底ランニングシューズの違い

薄底ランニングシューズと比べ、厚底ランニングシューズにはどのような違いがあるのでしょうか。実は厚さ以外にも様々な違いがあります。

ソールの厚さ

一番の違いはなんといってもソール(靴底)の厚さです。何cm以上が厚底ランニングシューズという明確な規定はありませんが、多くは2cm以下のソールを「薄底ランニングシューズ(一般的なランニングシューズ)」、4cm程度のものを「厚底ランニングシューズ」と呼ぶ傾向があります。また、近年では2~4cmの中間の厚さを持ったランニングシューズも登場しており、目的に応じた靴選びがしやすくなりました。

クッション性

厚底ランニングシューズは、ソールの厚さが増すことで、一般的なランニングシューズよりクッション性が高くなっています。そのため、脚や膝にかかる負担が軽減されており、楽に走れることができるようになります。また、厚みのあるソール内にはプレートが入ったタイプもあり、クッション性だけでなく反発力も高めてくれるため、脚が前へ弾むような感覚で推進力をサポートします。

公認記録の対象となるかどうか

2020年12月1日より、ワールドアスレティックス(WA・世界陸連)による厚底に関するルールが全面適用となりました。規定以上の厚底ランニングシューズを履いて大会に出てしまうと、非公認記録だと判定される場合があるので注意が必要です。トラックだけでなく、クロスカントリーや道路競技に冠しても規定が定められています。特に、一定の記録を保持しているランナーや、陸連登録をし公認記録を狙うランナーは本番で履くシューズに注意が必要となります。現在、使用可能なシューズのソールの厚さは、800m以上のトラック種目・クロスカントリーで25mm以下、道路競技では40mm以下と定められています。

厚底ランニングシューズのメリット

脚への負担を軽減する

厚底ランニングシューズはそのソールの厚みにより、クッションが高く、着地時の衝撃を効果的に吸収することができます。これにより、ランナーの足や膝にかかる衝撃が軽減され、脚への負担や疲労を軽減することができます。

ランの安定性が高まる

厚底ランニングシューズには、足首や膝を安定させるよう設計されているつくりのものが多く、衝撃吸収性も相まって走る際により安定感を感じることができます。安定性を高めるためにクッション性を保ちつつも、フォームが弾みすぎないよう設計されているシューズもあり、安定感を持って走ることができます。

トレーニングを効果的に行えるようになる

ランナーの天敵は怪我。4割のランナーが1年のどこかで故障をしている、といった話があるほどです。厚底ランニングシューズの中には「怪我ゼロ」を目指した製品もあり、継続的なトレーニングをするための強い味方となります。また、疲労を軽減し、ランニングの安定性が高まることからも、距離を伸ばして走ったり、ペースを上げたランニングがしやすくなったりと、トレーニングの効率を上げることにつながります。

好記録が狙えるものもある

2018年の東京マラソンでの日本新記録、また近年の駅伝でも厚底ランニングシューズを履いた選手の活躍が目につくようになりました。現在では普段使いのもの以外にも、レース向けに開発、販売されている厚底ランニングシューズも多くあります。特に、カーボンプレートを内蔵したモデルは、反発力が強く、軽い力でより推進力を伴った走りをすることが可能となっており、レースで記録を狙うランナーにも好まれています。

厚底ランニングシューズのデメリット

メリットが目立つ厚底ランニングシューズですが、デメリットもあります。もちろん製品によってはこれらのデメリットを克服するものもあるため、あくまでも一般的な視点ではありますが、メリットとデメリットを踏まえて靴選びができるとよいですね。

重い

単純にソールが厚くなっている分だけ、重さは増します。そのため、薄型のランニングシューズに慣れている人からすると、少し脚の持ち上げに違和感を覚えるかもしれません。また、重みがある分しっかりと蹴る必要もあり、薄型ランニングシューズに比べ、力の入れ方が異なるようにも感じます。

柔軟性が低くなる

厚底ランニングシューズは、足にフィットするように設計され、特に足首をしっかり守ってくれるようなつくりが多いです。しかし、その反面、足首の動きが制限されてしまい柔軟性が低くなりがちです。足首が硬いままランニングを続けると、ふくらはぎやアキレス腱、かかと周辺の筋肉群に疲労が溜まりやすくなってしまいます。

接地のタイミングが遅れる

ソールの厚みでクッション性が増すことにより、地面からの反発を感じるまでにタイムラグが発生します。そのため、脚を付いてから蹴り出すまでに時間差が生まれ、思っているような脚の蹴り出しができないことがあります。そのことで、不自然な身体の使い方をしてしまい、ランニングフォームが乱れてしまう可能性があります。

初心者は厚底ランニングシューズを選ぶべきか

デメリットもいくつかありますが、ランニング初心者にとっては厚底ランニングシューズを選ぶメリットの方が大きいと考えられます。むしろビギナーが一足目に選ぶのなら、厚底ランニングシューズから始めると、脚運びなどの違和感を経験することもないでしょう。

注意点としては、厚底ランニングシューズは走力のサポート機能が高く、脚の筋肉をあまり使わずとも走れてしまいます。そのため初心者の方はスイスイと走れる感覚から、つい無理をしがちとなってしまいますので、脚力を鍛えることを意識しておきましょう。

厚底ランニングシューズの有名メーカー

厚底ランニングシューズがブームとなり、様々なメーカーが取り扱うようになりました。それぞれに強みや特徴があり、デザインも異なります。ここでは代表的な3社を取り上げていますが、他にもまだまだ厚底ランニングシューズを扱うメーカーはあります。自分のシューズを考える際の参考にしてみてください。

ナイキ

厚底ランニングシューズブームの火付け役として、今も厚底ランニングシューズをけん引し続けるメーカーです。「ヴェイパーフライ」シリーズはフルマラソンで日本記録を樹立した選手が履いていたことでも有名となりました。オールラウンドに使える「ペガサス」シリーズや、学生の部活用にも使える廉価版の「ライバルフライ」シリーズなど、厚底ランニングシューズのラインナップが豊富です。

アディダス

アディゼロ」シリーズに厚底ソールが使用されています。このシリーズでは目標タイム別に機能の異なるシューズを展開しており、1シリーズでサブ6や完走を目指すランナーから、サブ2.5を目指すランナーまで幅広くカバーしているのが大きな特徴です。ホームページでは展開されているシューズが分かりやすくまとめられており、目標タイムからだけでなく、診断やチャートからもシューズを探すことができ、自分に合う一足を見つけやすくなっています。

アシックス

METASPEED」シリーズや「MAGIC SPEED」シリーズをはじめ、多くのシリーズから厚底ランニングシューズを展開しています。また、同じランニングシューズでも色の種類が豊富でグラデーションカラーを使ったおしゃれなシューズが多い印象です。ランニングウェアも機能性に加えデザイン性が高いものも多く、おしゃれに見せたいランナーにとっては選びがいのあるメーカーとなっています。

厚底ランニングシューズと薄型ランニングシューズの使い分け

ランニングにおいては厚底ランニングシューズがよい場面と薄底ランニングシューズがよい場面が存在します。場面に応じてこれらを履き分けるのと効果的なランへとつながります。

厚底ランニングシューズが向いている場合

ジョギングや長時間のランニング(LSD)、また初心者の走り始め等は厚底ランニングシューズが向いている場面です。脚に負担をかけず、ランを楽しむことことに集中できるでしょう。また、道路を走るときはこちらの方が向いています。コンクリートは土や競技トラックのウレタンよりも硬いため、接地の衝撃が大きいです。脚を守るためにも衝撃を吸収してくれる厚底ランニングシューズを選ぶのがよいでしょう。

薄型ランニングシューズが向いている場合

脚づくりをしたい場合や、スピードを付けた練習をしたいときは薄底ランニングシューズが向いています。厚底ランニングシューズは脚への負担がかからないものですが、言い換えると脚の筋肉をあまり使わないため、脚力を鍛えるのには不向きです。また、スピードを出すためには地面の反発を生かした走法が必須です。カーボンプレート入りの厚底ランニングシューズはそのサポートをしてくれますが、あくまでもサポートです。まずは自分の脚の筋肉を鍛えることが必要です。スピードを付けたいときには薄型ランニングシューズで接地の感覚を掴んでいきましょう。

自分に合ったシューズを選ぶために

自分に合うシューズが厚底ランニングシューズなのか、薄底ランニングシューズなのか、こればかりは本人にしかわかりません。

また、ランニングシューズの多様化に伴い、近年ではオールラウンドに使えるシューズよりも、機能、用途を絞った特色のあるシューズが増えている傾向にあります。どちらかだけを使う、ではなく目的に合わせて使い分けること、という視点を持つことも大切でしょう。初心者のシューズ選びについてはこちらの記事も参考にしてください。

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