ランニング・マラソン
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サブ3の難易度とは?ペース表や月間走行距離について解説
2023年2月16日 - 更新日: 2023年5月29日
この記事に辿り着いた方は、少なからず「サブ3」に興味・関心のある人だと思いますが、初めに断言しておきます。
サブ3の壁は高いです。
それを踏まえた上で、それでもサブ3に挑戦しようとする勇気のある方に対して、本記事では、「サブ3の基礎知識」として、サブ3の難易度や価値、トレーニング方法について解説します。
正直申し上げますが、これを読むと「サブ3の壁の高さ」がさらにリアルなものとして、あなたの前に立ちはだかるかもしれません。
しかし、恐れることはありません。サブ3の挑戦はあなたに多くのものをもたらしてくれるはずです。
この記事があなたの背中を押す一助になれれば幸いです。
サブ3とは?意味や達成ペース
サブ3の「サブ」の意味はご存知でしょうか?
これは、「下、下位、副」という意味になります。
サブが付いている言葉でいうと例えば、サブウェイは「道の”下”」で「地下鉄」、サブマリーンは「海面の”下”」で「潜水艦」といった具合です。
これと同じ意味合いで、「サブ3」の場合は「3時間より下」、つまり「3時間未満」という意味になります。
サブ3は「4分15秒/km」ペース
サブ3を達成するための平均ペースは「平均4分15秒/km」です。
このペースで3時間走り続ける必要があります。これは100m走だと25秒の速度で、スピードに換算すると「時速14.1/km」となります。自転車の速度に近いです。
これはなかなかのスピード感ですよね。
街中でこのペースで走ると、ゆっくり漕いでいる自転車は余裕で追い抜けるのでビックリされるでしょう。
サブ3のペース表
サブ3ペースの4:15/kmで走った場合のペース表を押さえておきましょう。
5km毎およびハーフ地点のタイムは以下の通りです。
距離 | タイム(平均4:15/km) |
5km | 21分15秒 |
10km | 42分30秒 |
15km | 1時間3分45秒 |
20km | 1時間25分00秒 |
ハーフ(21.0975km) | 1時間29分40秒 |
25km | 1時間46秒15秒 |
30km | 2時間07分30秒 |
35km | 2時間28分45秒 |
40km | 2時間50分00秒 |
フル(42.195km) | 2時間59秒20秒 |
ご覧の通り、平均4:15/kmで最後まで押せれば、40秒の猶予があることがわかります。
ですので、厳密には平均4:15〜4:16/kmで走れれば、ギリギリサブ3はいける計算です。
(参考)平均4:15/km+2秒までのタイム
ロボットの如く4:15/kmの一定ペースで走り続けられる人はいませんので、参考までに平均4:15/km+2秒までのタイムも掲載しておきます。
距離 | タイム(平均4:16/km) | タイム(平均4:17/km) |
5km | 21分20秒 | 21分25秒 |
10km | 42分40秒 | 42分50秒 |
15km | 1時間4分00秒 | 1時間4分15秒 |
20km | 1時間25分20秒 | 1時間25分40秒 |
ハーフ(21.0975km) | 1時間30分01秒 | 1時間30分22秒 |
25km | 1時間46秒40秒 | 1時間47秒05秒 |
30km | 2時間08分00秒 | 2時間08分30秒 |
35km | 2時間29分20秒 | 2時間29分55秒 |
40km | 2時間50分40秒 | 2時間51分20秒 |
フル(42.195km) | 3時間00秒02秒 | 3時間00秒44秒 |
なぜあえて「+2秒」までのタイムを掲載したと思いますか?
単純に、これをみたときにあなたはこう思ったのではないでしょうか。「実際にこうなったらやり切れない(悔しい)!」と。
当然ですが、平均ペースが4:15/kmを下回ってくるとサブ3には届きません。
でも、平均4:17/kmであっても、サブ3までは”たったのあと44秒”なのです。これは非常に悔しいですよね。
後半になればなるほど体は当然悲鳴をあげてきます。しかし、それは皆同じです。
限界ギリギリのところで踏ん張って「1秒を削り出す」ことができるか、最後はやはり気持ちかもしれません。
いずれにせよ、レース当日は上記のベース表などをもとにレース展開を組み立てることになりますので、頭に入れておきましょう。
サブ3の難易度と価値
ここでは「サブ3の難易度」がどの程度なのかをお伝えします。
冒頭に書いた通り「壁は高い」ですが、その分「価値」も高いです。
サブ3達成者の割合
サブ3の達成者は全ランナーの上位何%いるでしょうか?
毎年多少の変動がありますが、答えはざっくり「男子3〜4%」「女子0.5〜0.7%」です。
具体的な人数でみると、男子約9,000〜10,000人、女子約300〜350人となります。
ちなみにこの割合はあくまで「完走したランナーのうち、サブ3した人の割合」ですので、全マラソンランナー人口(約1,000万人)から算出すると、もっと割合は下がります。
いかに「高い壁か」がわかる数字です。
こんなの自分には無理…でしょうか?
いや、諦めるのはまだ早いです。
一つ朗報をお伝えしましょう。初めてサブ3を達成した人の年代をみてみると、50代、60代の人でも、その年代になってから初めてサブ3を達成している人はいます。
サブ3はあなたでもできる
サブ3は市民ランナーからするとまさに「称号」です。一目置かれる存在になることは間違いありません。
女子においては、もはや「レジェンド」と呼べる領域でしょう。
ちなみに女子の場合、サブ315(3時間15分切り)が男子のサブ3レベルに相当すると言われます。
前述した、50代からマラソンを始めてサブ3を達成する人、女子でもサブ3をやってしまう人、など「サブ3達成」という結果を出す人は確実にいます。もともとスポーツ経験があまりなかった人がサブ3を達成した!なんてことも耳にします。
これを聞くと、自分で限界を決めずに挑戦することが大切だな、とつくづく思います。
マラソンは努力が確実にタイム(結果)となって表れてくるスポーツです。
(逆にいうと、一朝一夕の魔法はないということでもあります。)
あなたも、覚悟を決めて、正しい努力を継続すれば、必ずサブ3は達成できます。
サブ3のためのトレーニング
次に、サブ3のために必要な「トレーニング」についてお伝えします。
計画を立てることが大切!
まずは何といっても「トレーニング計画をしっかり立てる」ことが大事です。
サブ3にチャレンジする人は、長い人だと1年前、遅くとも半年前から、トレーニングを開始しましょう。
サブ3に近いPB(プライベートベスト)を持っている人でも(つまり、日常的にそれなりの強度で運動習慣のある人でも)、3〜4ヶ月前からの計画と実行が必要でしょう。
具体的には、上記期間の中で下記のように段階を分けて取り組んでいくことになります。
- サブ3の練習に耐えうる身体のベースを作る時期
- 走力(スタミナ、スピード)をつけていく時期
- レースに向けて調整する時期
闇雲なトレーニング計画では、「あと一歩でサブ3に届かなかった」という結果になりがちです。
(イメージとしては、3時間5分止まり)
大事なので再度書きますが、サブ3のためには何が必要かを理解し、それに対してパフォーマンスアップするために、しっかりと計画立ててトレーニングを積んでいくことが大切です。
ポイントは「スタミナ強化」と「スピード強化」
トレーニングを積んでいく上でのポイントは、「スタミナ強化」と「スピード強化」の2つです。
前項では「走力」とひとまとめにしてしまいましたが、サブ3トレーニングのメインは、この「走力(スタミナ、スピード)をつけていく」部分になります。
それぞれ具体的なトレーニングメニューなどもご紹介しながら、ポイントをお伝えしていきます。
スタミナ強化メニュー
まずは「スタミナ強化」です。42kmをそれなりの速度で走り切る「脚」を作る必要があります。
すでにフルマラソン経験済みであればわかるかと思いますが、レース後半、心拍には余裕があるのに(=呼吸はゼーハーしていないのに)足が重く動かなくなってきたことはないでしょうか?
これは「筋持久力の不足」が原因と考えられます。
こうならないためにスタミナ強化メニューで「地脚」をしっかり作りましょう。
トレーニングメニューとしては、「LSD(ロングスローディスタンス)」や「30km走」などがあります。
「LSD」は、長い距離を長い時間をかけてゆっくりと走るトレーニングで「筋持久力アップ」が期待できます。
LSDを行う際は、最低でも120〜150分は行いたいところ。
また、トレーニング期間に何度か、現在地確認の意味合いも込めて「30km走」に取り組んでみることをおすすめします。
30km走の目標ペースは、レースペースである「4:15/km」です。トレーニングを開始した頃は、おそらくこのペースでは走り切れないと思いますが、まったく問題ありません。その体験から、「今の自分に足りないもの」や、「目標との差がどれぐらいか」などを把握することができます。
その後トレーニングをしっかり積み、レース1ヶ月前に再度30km走をやってみてください。
そこで”余裕をもって”4:15/kmペースで走り切れたら、サブ3達成はかなり現実味を帯びてきます。成長を実感する瞬間です。
スピード強化メニュー
スタミナ(地脚)がある程度付いてきたら、次は「スピード強化」に取り組んでいきます。いわゆる「ポイント練習」といわれるものです。
ここでのポイントは「レースペースである4:15/kmが楽に感じられるようにする」こと。つまり、スピード強化トレーニングは、「レースペースよりも速い速度」で行うことになります。
必然的に心肺を追い込むことになりますので、スピード強化=心肺能力強化と捉えていただいて問題ありません。
具体的なトレーニングメニューとしては、
- インターバル走(設定ペースでのスピード走と休憩走を交互に繰り返す)
- ビルドアップ走(徐々にペースを上げていく)
- 10kmペース走(設定ペースで10kmを走る)
などが挙げられます。
参考までに、10kmペース走の目安のペースは「4:00/km(40分切り)」です。
ラスト1kmは、3:50-3:55/kmなどにペースアップできると尚よしです。
ちなみにサブ3ペース(4:15/km)だと、10kmの通過タイムは42分30秒となります。
これに比べると、40分切りがいかに速いかがわかりますが、だからこそ10kmをこのペースで走り切れれば自信になります。
4:15/kmペースは別に速くない!という感覚になるまで、しばらくは大変かもしれませんが、頑張りましょう。
継続してポイント練習をを積んでいけば、確実に”その感覚”になるタイミングがやってきます。
サブ3ならハーフマラソンのタイムは85分切りが目標
スピード強化の一環で、レース1〜1.5ヶ月前ぐらいに一度「ハーフマラソン」をやっておくのもいいでしょう。
目標ペースは、高いところを掲げると「4:01/km(85分切り)」です。
10kmペース走とほぼ変わらないじゃないか、と思うかもしれませんが、その通りです。
これができればサブ3への道は比較的明るいです。
ただし、85分切りはかなり高い目標ですので、さすがにここまでできなくても大丈夫です。
少なくとも平均4:10/kmペース(1時間27分54秒)で「余裕をもって」フィニッシュできれば、十分にサブ3は狙えるでしょう。
逆に、4:10/kmペースで精一杯という場合は、その時点では正直サブ3は危ういレベルです。
再度気を引き締めて、もう一段のトレーニングが必要と認識しましょう。
サブ3の月間走行距離の目安
サブ3の月間走行距離ですが、「200〜300km以上」が目安となります。
サブ3トレーニングにおいては、月間走行距離がすべてではありません。
しかし、サブ3を達成しているランナーはそれなりに距離を踏んでいるのも事実です。
これは1日あたりにすると、6.6km〜10km以上となります。誰しも日々の仕事や生活がある中でこれだけの走行距離を確保しなくてはいけないのですから、サブ3挑戦が簡単ではないことが想像できるでしょう。
サブ3のためのシューズ選びのポイント
最近のシューズの進化は目覚ましいものがありますが、一般市民ランナーがサブ3を狙うには、積極的にテクノロジーの力も借りることをおすすめします。
そうはいっても、どう選べばいいのか。ここでは、シューズ選びのポイントをお伝えします。
自分の足に合ったものを選ぶこと
シューズ選びの際にあなたがいつも重視しているポイントはなんですか?「デザイン」でしょうか。それとも「ブランド」でしょうか。
それはそれで正解です。好きなシューズで走るとテンション上がりますよね。
でも、ここはその気持ちを少し堪えて、まずは「自分の足に合っているかどうか」を最優先事項としてシューズを選別していきましょう。
どれだけデザインが格好良くても、トレーニングやレース途中に靴擦れなどになってしまったら元も子もありません。
最近は、足型を立体的に測定してくれる機械を設置している店なども増えてきました。測定結果に沿って、「合ったシューズ」を提案してもらうといいでしょう。もしくは、シューズ選びのプロである「フィッター」がいれば、その方に相談するのももちろんありです。
シューズ選びにおけるそんな「関門(=自分の足型にフィットするかどうか)」を乗り越え、残った選択肢の中から、サブ3達成に向け一蓮托生で臨んでいく「相棒」を選びましょう。
押さえるべきポイントは3つ
「自分の足型に合うシューズ」が絞れてきたら、そこから先は以下の3つのスペックを確認しながら、さらに自分との相性を見定めていきましょう。
- 軽量性
- クッション性
- 反発性(いわゆるガーボンシューズなど)
「軽量性」は言わずもがなです。軽いに越したことはありません。
「クッション性」については好みが別れるところです。一昔前までは「薄底シューズ」が流行っていた時期もありましたが、ご存知の通り、今は「厚底シューズ」全盛期。エリートランナーも含め、ほとんどのランナーが厚底シューズで走っており、ランニング業界を席巻しています。
フルマラソンの歩数は、ざっくり「4万歩」になります。3時間で4万回の着地衝撃を受けるわけですが、このことからしても、どうしても慣れ親しんだ薄底シューズでなければ落ち着かない、という人以外は、クッション性のある厚底シューズを順当に選ぶことをおすすめします。
最後に「反発性」について。
サブ3のためのシューズ選びという文脈だと、この「反発性」が一番意識するべきポイントかもしれません。いわゆる「カーボンシューズ」の話題が出てくるポイントです。
「反発性」に関しては、正直なところ「フォーム」との関係性が強く、残念ながら、単にカーボンシューズを履いたからといって速くなるわけではありません。履きこなせないと逆にポンポンと跳ね上がってしまい、余計な筋疲労を生じさせます。
しかし、トレーニングの中で、カーボンシューズからの反発力を最大限に受けられる正しいフォーム(つまり、上への反発力を前方への推進力に変えるフォーム)を身につけられれば、サブ3達成に向けた最高の武器になることでしょう。
アシックスであれば「META SPEED SKY」「MAGIC SPEED 2」
弊社(アミノサウルス)と提携しているアシックスのシューズであれば、下記の2つがおすすめです。参考にしてください。
META SPEED SKYシリーズ(画像はMETA SPEED SKY+)
MAGIC SPEEDシリーズ(画像はMAGIC SPEED 2)
まとめ
今回は、まずは「敵を知る」ということで、サブ3挑戦にあたっての基礎知識として、下記に関連した内容をお伝えしてきました。
- サブ3とは
- サブ3の難易度と価値
- サブ3のためのトレーニング
- サブ3のためのシューズ選びのポイント
冒頭の内容と重複しますが、最後に改めてお伝えしておきたいことがあります。
サブ3の壁は高いです。それは事実です。
しかし、50代からマラソンを始めてサブ3を達成した人もいることはお伝えした通りです。
サブ3に挑戦しようという「少しの勇気」と、決めたからには言い訳せずにやり遂げるという「強い意志と覚悟」を持ち、「適切な努力」を積むことができれば、必ずサブ3は達成できます。
なので、少しでも「サブ3にチャレンジしてみようかな」と思ったら迷わず「挑戦」してほしいと思います。人生において「挑戦」ほどエキサイティング且つ自分へのリターンが多いものはないと思います。
大きな挑戦の先に「達成感」があり、「成長」があり、「生きているという充実感」があります。人間の本能を刺激してくれるものが「サブ3挑戦」には詰まっています。
サブ3に向けて取り組んだすべてのことが、あなたの人生にきっと多くのものをもたらしてくれることは間違いありません。応援しています。
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