
BCAA
BCAAとEAAの違いとは|2つの成分の使い分けは必要か?
2021年7月26日 - 更新日: 2022年5月13日
BCAAとEAAは、運動や筋トレを行う方たちがよく摂取されている成分です。
それぞれ筋肉量や筋力を増やすことをサポートしてくれる成分ですが、どのように成分に違いがあるのでしょうか?
ここでは、「BCAAとEAAはどっちがいい?」という疑問をお持ちの方に、
- BCAAとEAAの違い
- 目的によるBCAAとEAAの使い分け
についてご紹介します。
BCAAとEAAの違いとは

BCAAの成分は、EAAの中に含まれています。
BCAAとEAAには、筋たんぱく質中に多く含まれるかどうかという違いがあります。
EAAは9種類のアミノ酸の総称です。
一方で、BCAAは、EAAの中でもバリン・ロイシン・イソロイシンの3種類の総称を指します。
この3種類のアミノ酸は、筋肉で代謝されるアミノ酸です。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
たんぱく質を構成するアミノ酸は全部で20種類があり、体内で合成できる11種類のアミノ酸を「非必須アミノ酸」、体内で合成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。

BCAAとEAAは、どちらも必須アミノ酸の成分です。
体をつくるもとになるたんぱく質は、アミノ酸が1種類でも欠けると合成できません。
体内で作ることができないEAAは、食事やサプリメントなどで効率良く摂取されることが多くなっています。
BCAAとEAAの使い分けについて
BCAAとEAAは似たような成分だと考えられがちですが、それぞれ目的が異なります。
EAAは血中アミノ酸濃度を高める作用があるので、EAAは運動前に摂取することが良いと考えられます。
筋肉を合成するには血中アミノ酸の濃度をあげる必要がありますが、血中アミノ酸濃度が低い状態で運動を行うと、からだが筋肉を分解してアミノ酸を補おうとしてしまうからです。
一方で、BCAAは運動前から運動中に摂取することが良いとされています。
BCAAは筋肉内に蓄積され、運動をする時にはすばやくエネルギー源となるため、運動前だけでなく運動中も摂取することで筋肉の合成の促進と分解を抑制することができます。
BCAAとEAAは一緒に摂取してもいいのか?
BCAAとEAAは併用して摂取することでより高い効果が期待できます。
BCAAは筋肉合成に重きを置ける成分ですが、BCAAだけでは材料が足りません。
筋肉に必要なたんぱく質を合成するには、20種類すべてのアミノ酸が必要になります。
非必須アミノ酸は体内で合成されますが、EAAは体内で合成できないため、EAAも摂取することでBCAAでは足りない部分を補うことができます。
EAAを摂取すれば必須アミノ酸は全て供給されるためBCAAが必要ないように考えられますが、運動時に筋肉が分解されることを抑制するためにはBCAAも加えて供給すべきと言えるでしょう。
eaaとbcaaはどっちがいい?選ぶならEAAを
目的によってBCAAとEAAを併用することが望ましいですが、もしどちらかしか選べない状況であれば、EAAを選ぶべきでしょう。
理由は、BCAAはもともとEAAの中に含まれているため、EAAの方がよりさまざまなシチュエーションに対応できるからです。
BCAAは体を動かすエネルギー源となり筋肉の分解を抑制しますが、筋肉をつくるもととなるEAAがなければ筋肉をつくることができません。
筋力をつけたい場合だけでなく、ダイエットをする場合でも筋肉の分解は避けたいものです。
運動前にEAAを摂取しておけば、運動中の筋肉の分解を防いで筋量を増やすことにつながるので、BCAAよりもEAAを優先しましょう。
ダイエットする場合のBCAAとEAAの使い分けに関しては、より詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
ダイエットを成功させるためにはEAAとBCAAはどっちがいい?
参考文献
厚生労働省e-ヘルスネット「アミノ酸」アミノ | e-ヘルスネット(厚生労働省)
富山大学附属病院「栄養の知恵袋」栄養の知恵袋|特集|富山大学附属病院